音楽理論 ざっくり解説

音楽理論をざっくり解説します。最低限のポイントだけ知りたい方へ

音楽理論

インド音楽 後編

インド音楽 後編です。 前編「インド音楽 前編」では簡単な特徴や歴史とラーガについて勉強しました。 後編ではインド音楽で主に使われる楽器と、リズムについて見てみましょう。 楽器 まず我々がイメージするインドの楽器と言えばシタールですが、これは13…

インド音楽 前編

今日のテーマはインド音楽です。 冒頭から言い訳で恐縮ですが、インド音楽は実際にインド人に長期間弟子入りしないことには本質は理解できません。 しかし弟子入り経験どころか、インドに行ったことすらない私が頑張って調べられるだけ調べた結果を発表しま…

移調の限られた旋法

今日のテーマは「移調の限られた旋法(移高が限られた旋法)」です。 英語では「Modes of Limited Transposition」です。 提唱者はオリヴィエ・メシアンですが、旋法によってはメシアン以前にも使った人は結構います。 なぜ移調が限られているのかと言うと、…

アイルランド音楽

今回解説するのはアイルランド音楽です。 一般にケルト音楽と言われてしまうジャンルですが、本来ケルト音楽というのはスコットランドとか、フランスやスペインの北のほうの音楽まで含みます。 よって今回解説するのは、ケルト音楽ではなくアイルランド音楽…

ブルース

今日のテーマはブルースです。 現代のロックやポップス、或いはジャズなどを語る上で欠かせない存在ですから、しっかり勉強しておきましょう。 特徴 ブルースと言えば、最大の特徴は3度と7度、及び5度の音が半音下がることです。 これらの音をブルーノートと…

アラブ音楽 後編

アラブ音楽 後編です。 前編「アラブ音楽 前編」ではジンスとマカームについて解説しました。 後編ではリズムと、その他前編では紹介しきれなかったことを勉強しましょう。 コーランを読む イスラム圏には、コーランの内容を朗誦する人達がいます。 www.yout…

アラブ音楽 前編

今日のテーマはアラブ音楽です。 アラブ音楽とは、簡単に言えばアラビア語を話す国々で奏でられている音楽です。 地図で言うとこの辺。 トルコとイランはアラブ世界には含まれませんが、音楽的には影響しあっている点もあり非常に似ていて、親戚みたいな関係…

マルチトニックシステム 後編

マルチトニックシステム 後編です。 前編「マルチトニックシステム 前編」では、2から12までの各マルチトニックを解説いたしましたが、意外に長くなってしまって私個人の意見が書けませんでした。 そこで、自分の意見を書きたいがためにわざわざ後編を用意い…

マルチトニックシステム 前編

今日のテーマはマルチトニックシステムです。 通常の曲はⅠの和音(トニック)が最も安定感があり、この和音を中心として曲が進行していきます。 CメジャーだとAmやEmなんかも一応トニック機能を持ちますが、Cに比べたら安定感は劣ります。 マルチトニックシ…

ピッチクラスセット理論

今日のテーマは、ピッチクラスセット理論です。 「セット」「ピッチセット」など、他にも様々な言い方があるようです。 12音技法「12音技法について」と同様、無調音楽体系化に対するアプローチの一つです。 アレン・フォート著「無調音楽の構造 ピッチクラ…

ドミナントコード上で使えるスケール

ドミナントコード上でどのようなテンションやスケールが使えるかについてのまとめ。 ミクソリディアン ドミナントコードと言えば、代表はⅤの和音です。 アヴェイラブル・ノート・スケールの理論に従うと、Ⅴの和音上で使えるのはミクソリディアンスケールです…

ハワイ音楽

今日のテーマはハワイ音楽です。 それほど分かりやすい特徴があるわけではないのですが、大まかな部分を何となく把握しておきましょう。 歴史 ハワイ諸島に人間が住み始めたのは、AD500年~800年頃ではないかと言われています。もちろん証拠はないのでハッキ…

ロクリア旋法

教会旋法シリーズも早いもので最終回。もうちょっと引っ張れば良かったかなw 今日はロクリア旋法です。「ロクリアンスケール」「ロクリアンモード」「シの旋法」などと呼ばれることもあります。 このように「ドレミファソラシド」をシから始めた旋法を指しま…

ミクソリディア旋法

続いてはミクソリディア旋法です。 「ミクソリディアンスケール」「ミクソリディアンモード」「ソの旋法」などと呼ばれることもあります。 このように「ドレミファソラシド」をソから始めた旋法を指します。 上譜例はG音から始まるミクソリディア旋法なので…

リディア旋法

教会旋法シリーズ第3回目 リディア旋法です。 「リディアンスケール」「リディアンモード」「ファの旋法」などと呼ばれることもあります。 このように「ドレミファソラシド」をファから始めた旋法を指します。 上譜例はF音から始まるリディア旋法なので、こ…

フリジア旋法

今日のテーマはフリジア旋法です。 「フリジアンスケール」「フリジアンモード」「ミの旋法」などと呼ばれることもあります。発音の都合上「フリギア」と言う人もいます。 このように「ドレミファソラシド」をミから始めた旋法を指します。 上譜例はE音から…

ドリア旋法

今日のテーマはドリア旋法です。 「ドリアンスケール」「ドリアンモード」「レの旋法」などと呼ばれることもあります。 ちなみに今回は「アドリブ時にどのコード上で使えるか」みたいな話ではなく、ドリア旋法の作曲についての解説です。 ドリア旋法とは、こ…

中心軸システム

今日のテーマは中心軸システムです。 バルトークの曲によく使われている技法なのですが、本人が「私はこのような技法を使って作曲している!」と言ったわけではなく、エルネ・レンドヴァイという理論家がバルトークの音楽を研究していて発見した法則らしいで…

テンション

テンションとは、コードに付く9以上の数字のことです。 「緊張」という意味なのですが、これを含んだコードはサウンドが複雑になって緊張感が増すのでそう呼ばれます。 7度 では始めましょう。 冒頭でお伝えしたように、テンションとは本来は9th以上の数字…

テトラコルド

本日はテトラコルドについて解説いたします。 テトラコルド(テトラコード)とは、その名の通り4つの音(弦)を一つのまとまりとする考え方のことで、一般には音階・旋法をさらに細分化した単位として使われます。 オクターブを分割 では実際に見てみましょ…

通奏低音

今日のテーマは通奏低音です。 名前だけを見ると、ドローンのような音を連想してしまいますね。 そのため通奏低音という言葉を「常に底流としてある考えや主張のたとえ」として使う人もいますが、これは誤用です。 通奏低音とは、低音部のパートを見ながら伴…

メロディにコードを付ける

今回はメロディにコードを付ける方法について解説いたします。 これをマスターしていると、オリジナル曲にメロディを付けるだけではなく、既存の曲のコードを付け直すこと(リハーモニゼイション)も出来るようになります。 ただし、コツを掴むまで多少訓練…

リディアン・クロマティック・コンセプト 後編

リディアン・クロマティック・コンセプト後編です。 前編「リディアン・クロマティック・コンセプト 前編」ではLCCの基本的な考え方について学びました。後編ではアドリブからは一旦離れて、より広い考え方を勉強しましょう。 コードや調の距離 5度圏上の距…

リディアン・クロマティック・コンセプト 前編

今日のテーマはリディアン・クロマティック・コンセプトです。「リディクロ」「LCC」などと呼ばれることもあります。 ジョージ・ラッセルというアメリカ人が考えたものです。 [書籍] ジョージ・ラッセル リディアン・クロマティック・コンセプト【送料無料】…

ガムラン 後編

ガムラン音楽 後編です。 前編「ガムラン 前編」ではガムランで使われる音階や、メロディを担当する楽器を紹介いたしました。後編ではリズム楽器について学びましょう。 ゴング ガムランでリズムを奏でるのは、ゴング類の楽器です。前編で紹介したレヨンやボ…

ガムラン 前編

今回紹介するのはガムラン音楽です。 フィリピンやマレーシアにも類似の音楽が存在しますが、我々がイメージする「ガムラン」とは、インドネシアのジャワ島・バリ島に伝わるものです。 インドネシアって、島が沢山ありますよね。なんと1万以上もの島から成る…

dimスケール・コンディミスケール

今日は、ディミニッシュト・スケール(以下dimスケール)と、コンビネーション・オブ・ディミニッシュ・スケール(以下コンディミ)という2つの音階について解説いたします。 dimスケール まずはこちらです。 英語の発音の都合上「ディミニッシュド・スケー…

フラメンコ 後編

フラメンコ 後編です。 前編「フラメンコ 前編」ではフラメンコの歴史や音階について勉強しました。後編では補足説明と、あとリズムについて解説いたします。 コード進行 フラメンコはどちらかと言うと旋律・テクニック重視の音楽なので、難しいコード進行は…

フラメンコ 前編

今日のテーマは、スペインのフラメンコです。 お隣のフランスやドイツやオーストリアやイタリアの音楽ってお互いに似たり寄ったりで判別が難しいのですが、フラメンコは誰でも分かりますよね。 と言うわけで、今回はその辺の理由や秘密も含めて解説します。 …

トータル・セリエリズム

今日のテーマはトータル・セリエリズム(総音列技法)です。十二音技法がさらに進化した形なのですが、考え方としてはそれほど難しくありません。十二音技法についてよく知らないのにいきなりこちらのページにたどり着いてしまった方は、こちら「12音技法に…