音楽理論 ざっくり解説

音楽理論をざっくり解説します。最低限のポイントだけ知りたい方へ

メロディにコードを付ける

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今回はメロディにコードを付ける方法について解説いたします。

これをマスターしていると、オリジナル曲にメロディを付けるだけではなく、既存の曲のコードを付け直すこと(リハーモニゼイション)も出来るようになります。

ただし、コツを掴むまで多少訓練が必要なので、初心者の方はすぐに出来ないからと言って焦ったり落ち込んだりする必要はありません。

 

メロディにコードを付ける場合、基本的にはメロディの音をコードトーンとして含むコードを充てるのが有効です。

例えば「ドー」というメロディには、ドを含むコード(C・Am・F・D7・Cm・A♭など)が候補になるということです。

 

同様に、「ドミ」というメロディに対しては、ドとミを含むコード(C・Amなど)が候補になります。

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下の曲にコードを付けるのであれば、何も迷うことはありません。1小節目がCで、2小節目がGですね。

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しかし、こんな分かりやすい曲は滅多にありません。大抵はコードトーン以外の音もゴチャゴチャに混ざっています。

では、メロディにコードを付ける際の判断基準をいくつか見てみましょう。

 

ダイアトニックコード

音階上の各音をルートとして作られるコードのことをダイアトニックコードと言います。ハ長調(Cメジャー)のダイアトニックコードは次の7つです。

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これらのコードは、当然ながらCメジャーの曲と相性が良い。

よって、曲のキーがCメジャーならば、これらのコードを中心に使うことになります。いや、中心どころか、曲中の全てのコードがダイアトニックコードである曲も決して珍しくありません。

しかもBm(♭5)は滅多に登場しないので、使うコードは実質6つです。候補が100個も200個もあったら大変ですが、6つなら超簡単ですね!

初心者の方は、まずはこれら6つを使って適切なコードを探ってみましょう。

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多い音・長い音

次に「多い音」と「長い音」に注目してコードを付けてみましょう。

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上の譜例では「ド レ ミ ファ」という4種類の音が使われています。

ドレミファを全て含むコードは、存在しないわけではありませんが一般的ではありません。よって、いずれかの音を除外して考えます。

 

よく見ると、ドとミの音は小節内に沢山ありますが、レとファは少ししか登場しませんね。

つまり、この小節内でのメインの音はドとミなので、この2音を含むコード(C・Amなど)を充てるのが適切であると判断できます。

 

 

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同様に、上の譜例では「レ ミ ファ ソ」という4種類の音が使われています。しかも全て1回ずつ登場します。

しかしよく見ると、レとファの音価は長いですが、ミとソは短いですね。

つまり、この小節内でのメインの音はレとファなので、この2音を含むコード(Dm・G7など)を充てるのが適切であると判断できます。

 

このように、どの音がメインなのかを考えることによって、コードが充てやすくなります。

 

強拍

もう一つの判断基準として、強拍に置かれた音符はメインである可能性が高いです。強拍とは、4拍子だったら1拍目と3拍目。3拍子だったら1拍目ですね。

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上の譜例では、ドレミファの4音が登場回数も音価も全て同じです。しかし強拍に置かれているのはドとミなので、この2音がメインであると判断できます。

 

例題

ではここで下の曲にコードを付けてみましょう。曲は私が適当に作ったものです。

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まず1小節目ですが、ドとミの使用頻度が高いですね。よってドとミを含むコードが適切であると考えられます。

2小節目は「レ ミ ファ」がそれぞれ一回ずつ使われていますが、ファの音価が長いですね。よってファがメインである可能性が高い。

3小節目は「ソ ラ シ」の3音が使われていますが、強拍に置かれているのはソとシです。よって、この2音がメインであると考えられます。しかもソは2回使われていますね。

4小節目は省略w

 

というわけで、以下のようなコードを充てるのが適切ではないかと考えられます。

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ところで、これ以外のコードが間違いという訳ではありません。

例えばAmはドとミを含んでいますから、1小節目のCの代わりに置くことが出来ます。2小節目は小節内にレとファを含んでいるのでDmのほうが自然ではありますが、Fでも一応可能です。

コードの付け方は決して1種類だけではありません。私が先程から「可能性が高い」「考えられる」など、ハッキリしない言い回しを用いているのはこのためです。

 

非和声音

先程「多い音」「長い音」という説明をしましたが、小節内に存在するメインではない音のことを専門用語で「非和声音」と言います。

初心者の方にはちょっと難しいのですが、これを知っているとどの音がメインなのか分かりやすくなります。

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例えば上のようなメロディでは、レは明らかにドとミに挟まれた「おまけ」ですよね。よってメインの音ではないと判断できます。このような音を「経過音」と言います。

 

 

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上の譜例のファは、ミが一時的に変化しただけですね。よってこれもメインの音ではないと判断できます。このような音を「刺繍音」と言います。

 

このような音の変化に関する決まりがいくつかあって、それを非和声音と呼びます。詳しく知りたい方はこちら「非和声音」をご覧下さい。

 

正解は無限にある

しかし残念なことに、今までの知識を総動員しても、どれがメインの音なのか判断しづらい、もしくは、どちらをメインとしても成立してしまう曲もあります。

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例えば上のような曲があった場合、1小節目に「ド レ」という2種類の音が含まれていますが、登場回数も音価も同じなので、どちらがメインなのかさっぱり分かりませんね。(まぁ強拍にあるのはレなんですが…)

実は、どちらの音をメインとしても正解です。

 

レを「ドに対する倚音」として考えれば、ドがメインです。この場合、一例として次のようなコード進行が考えられます。

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一方、ドを「レシ間の経過音」として考えれば、レがメインです。この場合、一例として次のようなコード進行が考えられます。

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初心者の方はチンプンカンプンだと思いますが、とりあえず「正解は一種類だけではない」ということだけ覚えておいてください。極端に言えば、耳で聞いて変じゃなければ何でも正解です。

 

理論的に考える

音楽理論の知識があると、次にどんなコードを置くべきかアタリが付けられるので、コードを付ける作業が楽になります。

先程はメロディからコードを推測していましたが、今度は理論面から推測してみましょう。

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曲は「メリーさんの羊」です。

譜例はドの音で終わっていて、しかも調号がありませんので、曲のキーはC(ハ長調)であることが分かりますね。

 

ほとんどの場合、曲の終わりには主和音が使われるので、最後の「ドー」の部分のコードはCです。

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また、最後がCならば、その前のコードは高確率でG7です。この「Ⅴ→Ⅰ」の流れはメロディを見なくてもほぼ確定です。

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G7の部分をDmとG7に細分化することも出来ますね。こうすれば「Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ」の綺麗な流れが出来上がります。

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ポップスでは、コードの数は1小節に1~2個程度が主流ですが、人間が弾けるスピードであればいくら細分化しても構いません。クラシックでは八分音符一個分ごとにコードが変わるなんてことも珍しくありません。

 

このように、コード理論の知識があれば次々と機械的にコードを付けていくことが可能です。特に曲のお尻から逆算していくのはオススメです。

 

ノンダイアトニックコード

今まではダイアトニックコードだけで考えてきましたが、慣れてきたらノンダイアトニックコードも使ってみましょう。これが適度に含まれていると良いスパイスになります。

例えば、先程のDmの前にA7を置くことが出来ます。

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A7から最後のCにかけて、曲に推進力が生まれますね。「6→4→3」のダブルプレーを見ているかのような華麗な流れです。

 

他にも様々な進行が考えられます。一つ一つ解説していると大変なので、一気にいきますよ。

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コードトーンにメロディの音が含まれていないものもいくつかありますが、必ずしも含まれなければいけない訳ではありません。理屈が通っていれば自然に聞こえる場合も多々あります。

 

先程も言いましたが、正解は無限にあります。耳で聞いて変じゃなければ全て正解です。

その中で、曲のイメージとか自分の好みとか、そういうものを考慮した上で最終決定しなければいけません。例えば「メリーさんの羊」は童謡なので、あまり複雑な進行は曲のイメージに合わないな、とか。

沢山の正解の中から、曲が一番輝く進行を選んでくださいね。

 

 

真実はいつもひとつ…ではない!