音楽理論 ざっくり解説

音楽理論をざっくり解説します。最低限のポイントだけ知りたい方へ

ハワイ音楽

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今日のテーマはハワイ音楽です。

それほど分かりやすい特徴があるわけではないのですが、大まかな部分を何となく把握しておきましょう。

 

歴史

ハワイ諸島に人間が住み始めたのは、AD500年~800年頃ではないかと言われています。もちろん証拠はないのでハッキリとは分かりません。

そこから徐々にハワイ土着の音楽が形成されていくわけですが、それは現在我々がイメージするハワイ音楽とは全く違います。


NANI NIIHAU OLI - Kuana Torres Kahele

おそらく上の曲は本物のハワイ伝統音楽ではなく、真似て作られたものだと思うのですが、ともかく本来のハワイ音楽とはこのような曲調です。

 

そんな中、1778年のキャプテン・クックの来航をきっかけに、1820年頃から白人の文化がどんどん入り込み、毎度お馴染みの手口ですが、元々あったハワイの伝統文化は容赦なく蹂躙されていきます。

当然キリスト教もハワイに入り、現地の人々は賛美歌を歌うことによって西洋音楽の機能和声的感覚を身に付けました。

 

その後、1879年に「ブラギーニャ」というウクレレの前身にあたる楽器が入り、1890年代にスチールギター奏法が考案されました。

これらは10~20年の間に一気にハワイ諸島中に広まり、現在に至ります。

 

つまり、近代的なハワイ音楽は19世紀後半。特に、ウクレレやスチールギターなど、我々がイメージする「あの」ハワイ音楽は1900年以降に出来上がったものなのです。

今回解説するのは、この近代的なハワイ音楽です。

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ウクレレ

まずはウクレレでポロポロ奏でられる曲の特徴です。

ちなみに「ウク」は「蚤」、「レレ」は「跳ねる」という意味で、演奏する右手の動きが蚤が跳ねているように見えることからそう名付けられました。

もっとマシな例えは無かったんかw

 

使われるコードは至って単純で、ほぼスリーコードです。キーも単純で、大抵はCメジャーかGメジャー、せいぜい#♭2つまでといった感じです。

マイナーキーはほぼ使われません。

(以降、キーは全てCメジャーで説明します)

 

スリーコード以外には、Gに進行するためにD7、また、Fに進行するためにC7が使われたりします。

つまり、C・F・G・D7・C7あたりでほとんど間に合ってしまいます。もちろん曲によってはAmやDmなんかも使われますが、かなりレアです。

 

しかし半音進行は好きなようで、「F→E→E♭→D7」とか「C→CM7→C7」のような進行はたまに見られます。後述するスチールギターの影響でしょうか。

 

リズムがゆったりしているので、1つのコードが平気で3~4小節続いたりもします。

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近代ハワイ音楽は賛美歌を真似ることからスタートしているので、基本的には「G7→F」のようなルール違反はあまり見られません。

しかし「F→G7→C」の進行はキッチリしすぎていて、ハワイ音楽のゆったりした感じには合いません。

よって、使われないわけではありませんが、あまり多用しないほうがいい。

 

そういうときは直接G7に行くのではなく、「F→C→G7→C」のように一旦トニックを挟むとハワイっぽくなります。

ただし、ハワイ音楽では「D7→G7→C」という進行は大好物。「F→G7→C」は使わないくせに、「D7→G7→C」は使いまくります。

この差は一体何なのか、私にも分かりませんけどw

 

曲の構成としては「A→A→B」の形式か、もしくは8小節か16小節ぐらいを1コーラスとして、それを何回か繰り返すパターンが多く見られます。

3連符の曲が多いイメージがありますが、イーブンの曲もけっこう存在します。

 

 

色々特徴を挙げましたが、最近(20世紀半ば以降)作られた曲は上記の限りではありません。最近は、短調や難しいコード、転調などを使用した曲もあるので注意しましょう。

 

スチールギター

では最後にこれを解説して終わりにいたします。

スチールギターとは、簡単に言えばブルースのギタリストがボトルネックを装着して演奏するあの奏法と同じことをする楽器です。

ただし、ブルースのギタリストはギターを普通に構えて弾きますが、スチールギターはギター本体を上に向けるような形で弾きます。


A Song of Old Hawaii - Lap Steel Guitar

スチールギターには8弦・10弦・12弦など、様々な種類が存在するようですが、以降は全て6弦で説明します。

 

また、ペダル付きのスチールギターも存在します。

これには足元にペダル、膝の位置にレバーが備わっていて、これらを操作すると音が上下する仕組みになっているようです。ギターのアームと一緒ですね。

ただし、ギターのアームは全ての弦の音が変わりますが、スチールギターのペダルは特定の弦のみ変わるようです。

 

チューニングはオープンチューニングです。

何の音にチューニングするかは人や曲によってバラバラで、オープンG、オープンA、オープンE、オープンCなど色々あります。

 

しかしハワイ音楽で特徴的なのは6thを入れる、つまりオープンC6とかオープンE6というチューニングが使われることです。

例えばオープンC6だったら、6弦から順に「C E G A C E」となります。

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波の音が聞こえてきそうw

このように、6thを入れると一気にハワイアンになります。また、頻度は高くありませんがドミナントのときに9thが使われることもあります。

 

オープンB11という、ちょっと変わったチューニングが使われることもあります。6弦から順に「B D# F# A C# E」です。

と言っても、別にこれでBメジャーの曲を弾こうというわけではなく、AメジャーやEメジャーなどを演奏するのに用います。

おそらく、このチューニングだとメジャーコード(3~1弦)・マイナーコード(4~2弦)・7th(6~3弦)・マイナー7th(4~1弦)・9th(6~2弦)など、様々な種類のコードが弾きやすいのでしょう。


あとは6度の音型で平行移動していって、最終的にトニックに辿り着くのも定番ですね。

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「スラントポジション」という、スライドバーを斜めに構えて異なるフレットを演奏する技も存在するようですが、どう考えても難しそうなので多用しないほうがいいでしょう。

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さて、今回はハワイ音楽について解説いたしました。

私はハワイに行ったことがないのですが、日本とハワイは年間数cmずつ近づいているらしいので、水平線にハワイが見えてきたら泳いで行ってみようと思います。