コードの覚え方、後編です。
前編「コードの覚え方 前編」では、先頭のアルファベット、及びメジャーとマイナーの意味について勉強しました。
今回は数字です。
コードにくっ付く数字は主に追加音。
たまに、3度や5度の音を変化させる役割があります。
7度
数字の中で最も重要なのはこれです。
アルファベットの後ろに「7」という数字が書いてあったら「そのコードに、ルートから数えて短7度上の音を足しなさい」という意味になります。
読み方は、正式には「セブンス」ですが、私を含めだいたいの人は「セブン」と言います。
「C7」だったら「シー・セブン」です。
短7度とは、鍵盤で数えると10個上の音です。(黒い鍵盤も含めて数える)
C7だったらシ♭、D7だったらド、G7だったらファ、B♭7だったらラ♭です。
「ルートから数えて短7度上」なので、メジャーでもマイナーでも付け足す音は変わりません。
初心者の方はとりあえずこれだけ覚えましょう。
他の数字は滅多に登場しないので、知らなくても問題ありません。
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その他の数字
7度以外の数字としては、6・9・11・13 が使われます。
読み方は先程と同じ。「シックスス」「ナインス」「イレブンス」「サーティーンス」です。
Cをルートとした場合の各数字の表す音は、以下の通り。
6th…ルートから数えて9個上
C6だったらラ、D6だったらシ、G6だったらミ、B♭6だったらソです。
9th…ルートから数えて14個上
C9だったらレ、D9だったらミ、G9だったらラ、B♭9だったらドです。
11th…ルートから数えて17個上
C11だったらファ、D11だったらソ、G11だったらド、B♭11だったらミ♭です。
13th…ルートから数えて21個上
C13だったらラ、D13だったらシ、G13だったらミ、B♭13だったらソです。
(6と一緒ですねw)
ちなみに、9以上の数字は括弧の中に入れてC(9) のように書くのが一般的です。
9以上の数字は、半音上下することもあります。その際は、数字の前に#や♭を付けます。
C(#9) だったらレ#で、C(♭9) だったらレ♭です。
#・♭の代わりに、+・-が用いられることもあります。
残念なことに、コードの表記は時代や地域によって様々で、細かい部分はあまり統一されていません。
コード表記が発明されてからまだ100年ぐらいしか経っていませんからね。まだまだこれからです。
9以上の数字のことを「テンション」と言います。
テンションについてはこちら「テンション」で詳しく紹介していますが、かなり難しい内容なので初心者の方は読まなくていいですw
sus4
sus4と書かれたら、3度の音が半音上がります。
正式名称は「サスペンデッド・フォー」ですが、よく「サスフォー」と言われます。
「suspended」とは、普通は「吊るされた」という意味ですが、おそらくここでの意味は「保留」です。
sus4コードは、通常のメジャーコードとセットで用いられます。
例えばCsus4だったら「Csus4→C」という流れが定番です。
5度が半音上がる
5度音を半音上げる場合は「♯5」と書きます。
先程のテンションのときと同様に「+5」と書かれることもあります。
「aug」という書き方もあります。「オーギュメント」の省略形です。
少々難しい話になりますが、ド(ルート)とソ#(半音上がった5度)の音程のことを英語でaugmented 5th(増5度)と言うためです。
5度が半音下がる
5度を半音下げたい場合は、「♭5」もしくは「-5」と書きます。
ポピュラー音楽では、メジャーコードの5度音を半音下げることはほとんどありません。大抵はマイナーコードです。
ここに7度音もくっ付けるのが定番なのですが、付け方には2つのパターンが存在します。
一つは通常の7度音(短7度)をくっ付けるパターンで、これを「m7(♭5)」と表記します。
複雑な表記に見えますが、一つ一つ冷静に見ていけば意味はそのまま。m(ミ♭)と、7(シ♭)と、♭5(ソ♭)ということです。
もう一つは半音下がった7度をくっ付けるパターンで、これをdim(ディミニッシュ)と言います。
ド(ルート)とソ♭(半音下がった5度)の音程を減5度、ドとラ(厳密に言うとシのダブルフラット)の音程を減7度というのですが、これを英語で言うと「diminished 5th」「diminished 7th」と言うためです。
本当は「dim7」と書くのが正式らしいです。日本語でも「減七の和音」と言います。
dimコードは、全ての音が鍵盤3つ分離れているという面白い形をしています。(最後のラの音からオクターブ上のドの音も、やはり3つ分離れている)
dimについて詳しく知りたい方は、こちら「減七の和音(dimコード)」をご覧下さい。
分数コード
最後に分数コードです。ここまでマスターすればもう一人前です。
分数コードは、低音部が変化します。
例えば「C」と書いてあった場合、右手でドミソ、左手でドの音を弾きます。
しかし「C/D」と書いてあった場合は、右手でドミソ、左手でレの音を弾きます。分母が低音を指定しているわけです。
バンドであれば、ベーシストが分母の部分を弾くことになります。
ちなみに読み方は「シー・オン・ディー」です。
湘南で活躍する某大物バンドは「ディー分のシー」と言っていましたが、カッコ悪いのでやめたほうがいいです。
まぁ実は「シー・オン・ディー」という言い方も和製英語なので、どちらにしてもカッコ悪いんですけどねw
分数コードについて詳しく知りたい方は、こちら「分数コード」をご覧下さい。
おまけ
話の流れ的に説明しきれなかったコードや表記方法を軽く紹介して終わりにします。
単に「7」と書いた場合、付け足すのはルートから数えて短7度上の音ですが、長7度の音を付け足したい場合は「M7」と書きます。
読み方は「メジャー・セブンス」です。
長7度とは、鍵盤で数えると11個上の音です。
CM7だったらシ、DM7だったらド#、GM7だったらファ#、B♭M7だったらラです。
「CmM7」のように、マイナーコードに長7度上の音を加えることも可能ですが、あまり使用されることはありません。
9度の音だけを付け足したい場合「add9」と書かれることがあります。
Cadd9だったら、構成音は「ド ミ ソ レ」です。
おそらく正式な読み方はアッデド(added)だと思うのですが、通称は「アド・ナインス」です。
「sus4」と「7」を組み合わせる場合、理屈の上では「Csus4 7」という書き方になるはずなのですが、実際には「C7sus4」と書かれます。
おそらく前者だと「サス・よんじゅうなな」に見えてしまうためでしょう。
dimコードは「○」で表すこともあります。Cdimだったら「C○」です。
また、Cm7(♭5) を「CØ」と書き「ハーフ・ディミニッシュ」と呼ぶこともあります。
メジャーコードを「Cmaj」「C△」など、マイナーコードを「Cmin」「C-」などと書く人もまれにいます。
しかしここに「7」が付いて「Cmaj7」「C△7」となると、これは先程の「CM7」を表します。
当然ながら、これらの書き方は非常に紛らわしい。
これからコードを覚える皆さんは、このような表記は絶対に使わないようにしましょう。
さて、これでほとんどのコードは覚えました。
この知識を使って弾き語りをしてみましょう。作曲にも挑戦しましょう。バンドも始めてみましょう。上手くなったらジャズなんかにも挑戦してみましょう。
ポピュラー音楽の世界はとても楽しいですよ!
今勉強した知識を再確認したい方はこちら。