音楽理論 ざっくり解説

音楽理論をざっくり解説します。最低限のポイントだけ知りたい方へ

アフリカ音楽 前編

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今日のテーマはアフリカ音楽です。

当然ながらアフリカというのは非常に広大ですので、「アフリカ音楽」と一括りにしてしまうのは、日本も中国も東南アジアもインドもペルシアもアラブも全部一括りにして「アジア音楽」と言ってしまうようなものです。さらに、日本の中に雅楽・尺八・三味線・アイヌ音楽・琉球音楽などが存在するように、他のそれぞれの国にも多様な音楽ジャンルが存在します。

したがって、だいぶ大雑把で乱暴なカテゴライズだとは思うのですが、とりあえず今回はアフリカの音楽に何となく共通して見られる特徴を解説していこうと思います。

 

北・西・東

アフリカの音楽は、北・西・東の3つのグループに分けることが出来ます。

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北のグループ(赤)は長いこと歴代イスラム王朝の支配下にあったため、どちらかと言うとアラビア音楽に似ています。よってアフリカ音楽の中でもちょっと特殊な存在なので除外します。

今回解説するのはここより下側。いわゆる「サハラ以南」と呼ばれる地域ですね。ちなみに「サハラ」は「砂漠」っていう意味だって知ってました? つまり「サハラ砂漠」とは「砂漠砂漠」という意味ですw

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さて、この中でも東のグループ(黄色)はやはりちょっと特殊なので、これも除外します。どう違うかと言われても困るのですが、西に比べてリズムが単純で、曲によってはアジアっぽい雰囲気だなーという感じがします。

と言うわけで、今回は西のグループ(青)について見てみましょう。大西洋沿岸部ですね。もちろん、先程言ったようにこの中でも国ごとに分けることができるし、さらに国の中でも時代や地域によって細かく分けることができるのですが、残念ながら私にはそこまでは分かりません。

 

6拍子

アフリカ音楽と言えばリズムが特徴的ですよね。音楽に詳しくない方でも、黒人が皆で集まって太鼓を叩いている姿が想像できるのではないでしょうか。音楽の3要素と言えばメロディ・ハーモニー・リズムですが、大雑把に言えばメロディに特化したのがアジア音楽で、ハーモニーがヨーロッパ音楽、そしてリズムに特化したのがアフリカ音楽です。繰り返しますが、超大雑把です。

 

とりあえず、実際にアフリカの民俗音楽を聞いてみましょう。

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かなり拍子が取りにくいですね。

この動画では4曲聞くことができますが、なんと全ての曲が6拍子です。アフリカには6拍子の曲が非常に多い。4拍子系の曲も存在しますが、結構な割合で6拍子です。

例えば最初の曲は、歌の出だしの「ウャーネ」に合わせて「1、2、3、4、5、6」とカウントしていけばリズムを取ることが出来ますよ。

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(クラシック・ポップス系以外の音楽を五線譜に書くのはかなり無理がありますが…)

 

繰り返すこのポリリズム

なぜアフリカの人達が2でも3でもなく6拍子を選んだのかは分かりませんが、6拍子にすることによって得られる利点が一つあります。それはポリリズムが作りやすいということです。

 

ポリリズムとは、異なる拍子が同時に演奏されることです。「ポリ」とは「複数」という意味です。

異なる拍子を同時に…と言っても、別に皆が好き勝手に演奏をするわけではなく、ある最小公倍数を持つように規則的に演奏するのです。説明だけでは分からないと思うので、実際に聞いてみましょう。

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タンバリンが3つ叩く間にバスドラが2つ入っていますね。タンバリンは「タンタンタン、タンタンタン」と、3つで1つのグループになるのですが、バスドラはその3つの音を「ドンドン、ドンドン」と、無理矢理2分割しています。

タンバリンを中心に聞けば確かに3拍子系のリズムなのですが、バスドラを中心に聞くと2拍子系のリズムになってしまいます。(音源後半、タンバリンが消えた後は簡単に「1、2、1、2」とカウントできるはずです)

このように、決してバラバラではなく、どちらの拍子にも取れるように演奏することをポリリズムと言います。

 

先程の動画の2曲目(3分14秒頃から)を聞いてみましょう。

複雑で頭がクラクラしそうなリズムですが、冷静に分析してみると、これはムビラ(カリンバの仲間)が6拍子のメロディを奏でると同時に、手拍子はその6拍を4分割する形で叩いているのです。

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(マラカス的な楽器は、手拍子をさらに2分割しています)

ムビラを中心に聞けば6拍子ですが、手拍子を中心に聞けば4拍子に聞こえます。立派なポリリズムですね。何が凄いって、子供がこれを簡単に演奏しているところです。

 

色々と見てまいりましたが、6という数字は2でも3でも割り切れます。1.5(付点四分音符)を使えば4でも割り切れます。よってポリリズムを演奏するにあたって非常に都合が良いのです。

 

定番リズム

アフリカ音楽には定番のリズムがあります。先程のポリリズムとは違い、純粋に6拍子を刻むリズムです。一般的にはカウベルのような金属製のベルを使ってコンコン叩いて刻むことから「ベルパターン」と呼ばれるようです。

最初に申し上げたように、アフリカは非常に広大ですから多種多様な音楽が存在しています。しかしこのベルパターンはアフリカ各地に見られます。数千km離れた土地に同じベルパターンが存在しているらしいのです。不思議ですね。

 

動画の3曲目(8分50秒頃から)を聞いてみましょう。女の子が、下の譜例1のようなリズムを叩いています。

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これがベルパターンと呼ばれるものです。他にも譜例2のように、リズムを微妙に変えたものが多数存在します。

アフリカの子供は、このパターンに言葉を当てはめて覚えるそうです。例えば譜例3は私が勝手に作ったパターンなのですが、日本語で例えると、このリズムに「ぼんさんが屁をこいた」のような言葉を当てはめて、幼少期に徹底的に叩き込むらしいです。(良い例えが思い付かなかった…)

アフリカの人達にとって6拍子のリズムとは、きっと我々日本人にとっての七五調のようなピッタリ来るリズムなのかもしれませんね。

 

クラーベ

さて、今までずっと6拍子のリズムを見てきましたが、いくらアフリカと言えどもポップスは4拍子です。その場合、先程のベルパターンを4拍子にアレンジして下の譜例のように演奏します。

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このリズムパターンを「クラーベ」と言うらしいのですが、これがアフリカンポップスには非常に多い。全ての曲に使われているのではないかと思うくらいに多い。

試しに一曲聞いてみましょう。

www.youtube.com

うむ、問答無用ですね。

興味のある方は、他にも色々聞いてみましょう。ほとんどの曲が何かしらの形でクラーベのリズムを使っていますよ。

 

ちなみにこのクラーベのリズムは、南米の音楽にも見ることができます。

何となくお分かりだとは思いますが、奴隷として南米に連れて行かれたアフリカ人が叩いたリズムが発祥であるようです。それが本場アフリカにも逆輸入されたんだとか。

陽気なリズムのようですが、裏側を覗けばとてつもなく暗い影があったわけです。

 

さて、アフリカ音楽のリズムについてざっくりと解説いたしましたが、ちょっと長くなってしまったので続きは後編で。

 

 

なお、当記事は主にこちらの書籍を参考に書かれています。

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