ジャズの演奏の仕方 後編です。
前編「ジャズの演奏の仕方 前編」ではテンションとリズムについて学びましたが、片手でできる演奏法でした。後編では両手を使ってみましょう。
両手でコードを弾く
まずは通常時の弾き方ですが、これは前編で紹介した弾き方とそれほど変わりません。
両手を使うので和音の音域が広くなって多少ゴージャスに聞こえますけどね。(下譜例)
私は無理ですが、手の大きい人だったらこれでも片手で届いてしまうかもしれませんね…。
基本的には音域が広くなるほどゴージャスに聞こえますから、強調したいときには思いっ切り広げましょう。
2~3小節目で和音の音域を広げてみました。上の譜例はあくまで一例ですが、このように演奏するとピアノの音が強調されてメリハリがつきます。
(分かりやすくするために極端に強弱をつけています。また譜面を見やすくするために音符のリズムを簡略化しています)
右手はもう少し上の音域で弾いてもなかなかお洒落ですよ。
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オブリガート
必ずしもピアノが弾かなければいけないわけではありませんが、主旋律の合間に合いの手的なものを入れることもあります。
このように、主旋律(トランペット)の合間に入る「ミドシ」のような一言をオブリガートと言います。
ジャズではスローテンポな曲で使われることが多いイメージですね。
上の動画で、歌の合間にピアノが合いの手を入れているのが分かりますでしょうか。
ちょっと歌とカブってしまっている部分もありますが、それほど気にする必要はありません。
だって見て下さいよ、このクラリネットとトロンボーンを! トランペットとカブりまくっているのに、全く気にする様子がありませんよw
ニューオーリンズ・ジャズやディキシーランド・ジャズでは、こんな風に主旋律にカブせてピーヒャラと演奏する光景がよく見られます。
ジャズはアメリカの音楽なので(…そのせいかどうかは分かりませんが)個人主義です。
「歌が主役で俺はオマケだから…」などと考える必要はありません。自分が主役だと思って演奏することが大事です。
どうぞ歌より目立ってください。ベースもドラムも同様です。
ソロで弾く
これまではバンドの中で弾く方法を解説してまいりましたが、ソロ、もしくはピアノと歌で弾く場合についても少し見てみましょう。
まずベースの弾き方ですが、通常どおり左手がルートを単音で弾くこともありますが、2音以上弾くほうが一般的です。
その場合、オクターブでルートを弾いてしまうとテンションが稼げないので、下の譜例のように7度で弾いたり、手の大きい人は10度で弾くこともあるようです。私には無理ですがw
或いは、譜例右のように低音をズーンと鳴らしてから両手で高音を弾くのも効果的ですね。この時はルートをオクターブで弾いても良いでしょう。
また、身も蓋もありませんが、最初からルートを気にしない人もいますw
リズミカルな曲の場合、ラグタイム風に「ズンチャ、ズンチャ」とストライド・ピアノを弾いたり、ウッドベース(コントラバス)ばりのウォーキングベースを弾くこともあります。
ウォーキングベースについて知りたい方はこちら。
あとは「アッパーストラクチャートライアド」という弾き方もあります。
なんか必殺技の名前みたいですが、これは「Upper Structure Triad」つまり「上部構成3和音」という意味です。
まだちょっと意味が分かりにくいですね。
簡単に言うと、上の譜例のようにコードの上にもう一個コードを乗せてしまうことです。基本的にはテンションコードを分かりやすく表記したものです。
似たような概念として「ポリコード」というものもあって、こちらは上下の組み合わせに制限が無いので、色々作ることが出来ます。
この演奏法は私の中ではソロのイメージなのですが、バンドでの演奏時に使う人もいます。
詳しく知りたい方はこちら「ポリコードとUST」をご覧下さい。
Youtubeを見るべし!
さて、色々紹介してまいりましたが、結局のところ細かい部分は「人それぞれ」なので自分で研究するしかありません。
しかし今は動画サイトで演奏者の手元や楽譜を簡単に見ることができます。本当に良い時代になりました。
こういった動画が沢山アップされていますから、とにかく見まくりましょう。
例えば「Dm→G7」をどうジャズ風に弾けばいいか分からなかったら、「Dm→G7」が登場する動画を探しまくって、その譜面を真似して弾いてみればいいのです。
私がジャズを勉強していた頃はまだYoutubeが無かったので、書店で同じことをしていました。つまり、楽譜を片っ端から立ち読みしていたのです。
しかしこれは書店にとって迷惑行為ですからやめましょうw
動画なら何時間見ようが迷惑行為にはなりませんし、立ちっぱなしで足が痛くなることもありませんw
さらに、動画をいくつも見ていると、たまに「あ、ここ超カッコイイ! 超ジャズっぽい!」という音が聞こえてきます。
その部分を真似したり、移調して弾いてみたり、自分の弾きやすいように変えてみたり、色々試してみましょう。
全部をコピーする必要などありません。気になった部分だけ練習すればいいのです。
ジャズを勉強するとコードやテンションの扱い方をかなり深く学ぶことになるので、演奏・作曲の幅が広がります。
ポップスやロック一辺倒の人に比べて何歩も先を行くことができますよ。
意外にも、ジャズ理論はジャズの中だけで完結するものではなく、ポピュラー音楽全般に応用できるのです。「ジャズ理論」という名前に騙されないで下さいねw