音楽理論 ざっくり解説

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ジャズの演奏の仕方 前編

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今回はジャズピアノの演奏の仕方について解説します。

ジャズと言えば最大の特徴は何と言ってもあの浮遊感のあるサウンドですが、あれは一体どうやって作り出しているのか、その辺を中心に説明したいと思います。

 

早速ですが、次の音を聞いてみましょう。

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う~む、ピアノが全然ジャズではありませんね。

 

テンション

ジャズの和音の秘密はテンションです。

そう、テンションMAXで演奏します。そうすればジャズっぽい音になります。先程の音源はテンションが低かったのでジャズにならなかったのです。

 

…すみません。全部嘘です。

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ここで言うテンションとは「緊張」の意味です。音楽用語的には、細かい定義は色々あるようですが、簡単に言うとコードにくっついている9th以上の音を指します。

この9th以上の音を色々と加えてあげるのです。コードに9とか11とか書かれていなくても勝手に入れてしまいます。そうすることによってジャズっぽさが出ます。

(今言ったように、本来テンションとは9th以上の音を指すのですが、これ以降、説明を簡単にするために7thもテンションに含めて解説する場合があります。ご了承ください)

 

例えば、楽譜に「C」と書いてあったら普通は何の音を弾くでしょうか。答えは簡単。ドミソですよね。しかし、その弾き方ではジャズにはなりません。

 

そこでテンションの出番です。

楽譜にはCと書いてあるにもかかわらず、それを無視して色々とテンションを加えます。加え方は人や状況によってそれぞれなので、自分に合った弾き方を探しましょう。また、一口にジャズと言っても色々あるので、ジャンルによっても弾き方が微妙に変わります。(以降、ピアノの音は記譜よりオクターブ下)

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元々のコードトーンとテンション、全て弾いてしまうとクドイので、1度と5度の音(Cで言うとドとソ)は省略してもいいことになっています。

1度の音はベースが弾いてくれるので、自分で弾く必要はない。5度の音は、ルートを補助的に支える役割があるものの、コードの性格を決める役割は持っていないため省略できるということです。

 

では、テンションを加えてもう一度先程のパターンを演奏してみましょう。

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だいぶジャズになりましたね!

私は普段だいたいこんな感じで弾いているのですが、先程言ったように何のテンションを入れるかは人それぞれですので、正解は無限に存在します。あくまで上の譜例は「例の一つ」です。

 

ドミナント

ここで、ドミナントについてもう少し詳しく見てみましょう。

先程の譜例で使用したテンションは全てダイアトニックな音でしたが、ドミナントの場合はそれ以外の音も使うことができます。(厳密に言うとドミナント以外でも使える場面はありますが…)

具体的に言うと、先程使用したのは9th , 11th , 13thの音でしたが、ドミナントの場合はこれらの音に#や♭を付けて使うことができるのです。ざっくり言うと「ドミナントのときは黒鍵も使えるよ」ということです。

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コードがC7のとき、テンションに#や♭を付けた音を鍵盤上に並べてみると上のようになります。見事に全ての黒鍵を使っていますね。

ちなみにこの音階を「アルタード・スケール」と言います。英語の発音の都合上「オルタード」と言う人もいます。

 

…え、♭11thと#13thが含まれていないのは何故かって?

それぐらい自分で考えましょうw ♭11thと#13thが何の音なのかが分かれば、答えは簡単に分かりますよ。

 

というわけで、アルタード・スケール上の音をG7に組み込んでみましょう。

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他にも様々な組み合わせが考えられますが、とりあえずこんな感じです。また、アルタードテンションと普通のテンションを混ぜて使う人もいます。

テンションに#や♭を付けると、通常のテンションよりも不協和音度合いがパワーアップします。ドミナントは元々「不安定」という性質を持っていますから、不協和音になってくれたほうが好都合なのです。

 

リズム

最後にリズムです。ジャズには「音は間違えてもいいからリズムは間違うな」という格言があるらしいです。今までテンションについて色々と解説してまいりましたが、実はこっちが一番大事です。

リズムが大事だ! と言っても何か特別なことがあるわけではなく、単純に「裏を意識しなさい」ということです。クラシック一辺倒の人だと苦戦するかもしれませんが、ポピュラー音楽の経験がある人ならそれほど難しくはありません。

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リズムの感覚を言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、とにかくこの「ンチャ、ンチャ」という動きが大事です。一般的にジャズは3連符なので「ンーチャ」という表記のほうが近いのかもしれませんが…。

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どんなリズムで演奏するかは、先程のテンションの組み合わせ方以上に人それぞれです。これも自分に合った弾き方を探しましょう。

 

では、例の演奏をリズムも工夫して再度弾いてみましょう。

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完成とは言えませんが、合格点には達しました。

 

このように、ジャズはテンションとリズムという二本の柱で出来ているのです。

何のコードで何のテンションを使うか、なかなか覚えるのが大変ですが、こればかりは一つ一つ地道に覚えていくしかありません。私も#が沢山ある調のコードは普段あまり使わないので、咄嗟にテンションを入れて弾くことができません。(ジャズは♭の曲が多いので、♭は少々多くても対応できる)

 

そういうわけで、個人的な意見ですが、ジャズはピアノが一番難しいと思います。

せっかくコツコツと「Cはドミソ、Gはソシレ…」と覚えて、瞬間的に弾けるようになったのに、それをもう一度全部覚え直さないといけない。これ、けっこうキツイですよ。

ギターも押さえ方が変わるので大変かもしれませんが、ポジションを変えるだけで移調ができますから、理論的には1つ覚えれば12個のコードに応用できます。ポジション移動は弦楽器の最大の長所ですね。

ピアノは平行移動できませんから、コードが12個あったら12個を一つ一つ覚えていくしかありません。

大きな難関ですが、これからジャズの弾き方をマスターしようと思っている方には是非とも乗り越えて頂きたいと思います。

 

さて、もう少し細かい部分を説明をしたいところですが、ちょっと長くなってしまったので続きは後編で。

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