音楽理論 ざっくり解説

音楽理論をざっくり解説します。最低限のポイントだけ知りたい方へ

カポタスト 前編

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 C C#(Db)
 D D#(Eb)
 E
 F F#(Gb)
 G G#(Ab)
 A A#(Bb)
 B
 
 
 
 

ここに結果が表示されます


 

カポタストを着脱するとコードがどのように変化するのかを調べることができます。難しい操作を必要とするものではありませんが、万が一操作方法が分からない方がいらっしゃいましたらこちらをご覧下さい。
www.mie238f.com

 

というわけで、今回のテーマはカポタストです。

カポタストというのは、ギターを強制的にセーハすることによって移調しているのと同じ状態を作り出す道具のことです。これによって、通常の状態では弾きにくい#や♭の多い曲が弾きやすくなります。

移調がよく分からない方はこちら(移調)をご覧下さい。

 

昔は地味なものしかありませんでしたが、今は様々な色やデザインがあって羨ましいです。練習が楽しくなりそうですね。

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強制セーハ

まず「F → B♭」というコード進行について考えてみましょう。この2つのコードは両方とも1フレットをセーハして弾きますね。

ではここで、1フレットにカポタストを付けたらどうなるでしょうか。

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1フレット部分はカポタストによって強制セーハされますので、自分の指で押さえる必要はなくなります。つまり自分の指で押さえるのは「セーハ以外の部分」ということになりますので、「E → A」を弾けば、元の「F → B♭」と同じ音が出るということになります。

(試しに先程のツールでも調べてみましょう。ちゃんと「Fをカポ1で弾くとE」「B♭をカポ1で弾くとA」と表示されますよ)

 

このようにカポタストを装着することによって、セーハばかりの曲をセーハ無しに、もしくはセーハの回数を少なくすることができます。

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フレットの仕組み

他のコードはどうなるのか気になるところですが、その前にフレットの仕組みについて勉強しましょう。これが分かっていると、何フレットにカポタストを付ければ演奏が楽になるのかが自然と分かるようになります。

 

ギターのフレットは、1フレットがピアノの鍵盤1つ分に相当します。

1フレット上がると半音(ピアノの鍵盤1つ分)上がり、2フレット上がると全音(ピアノの鍵盤2つ分)上がるわけです。鍵盤1つ分とか2つ分というのは、黒鍵も含めて考えてください。つまり、ドの1つ上と言われたらレではなくド#です。

当然、どの弦もこの法則に従って音が上がっていきます。

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本当は全ての弦を説明したいところですが、図がゴチャゴチャになってしまうので代表として6弦だけを見てみましょう。

いちいち書きませんが、2フレットはファ#(ソ♭)、4フレットはソ#(ラ♭)です。半音ずつ上がっていく様子がよく分かりますね。

また、ミとファの間には黒鍵がありませんので、ミが1フレット上がるとミ#という音を経ることなくいきなりファに到達します(と言うか、少々難しいので覚えなくていいですが、ミ#とはファのことを指します)。シとドの間も同様です。

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全ての弦を半音上げる

話をカポタストに戻しましょう。

カポタストとは強制セーハ、つまり全ての弦の同一フレットを一気に押さえてしまう道具です。例えば1フレットにカポタストを付けた場合、先程の理屈により全ての弦が半音上がることになります。その状態でコードを弾くと、一見正しいポジションで弾いているように見えますが、実際にはカポタストの分だけフレットがプラス補正されているので、押さえているコードよりも半音上の音が鳴るのです。

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Cのコードで考えると、弾いている本人は通常の「5弦3フレット・4弦2フレット・2弦1フレット」というポジションを押さえているつもりなのですが、実際には1フレットにカポタストを付けているので「5弦4フレット・4弦3フレット・2弦2フレット・それ以外の弦は1フレット」という押さえ方をしていることになります。

つまり、通常のCに比べて全ての弦が「+1フレット」されている状態なので、本人はCを弾いているつもりでも実際には半音上のC#(D♭)のコードが鳴るというわけです。

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同様に、2フレットにカポタストを付けてCのコードを弾くとDのコードが。3フレットにカポタストを付けてCのコードを弾くとD#(E♭)のコードが鳴ります。

 

ちょっと違う使い方

このように、カポタストを使うとバレーコードを簡単な押さえ方に変換することができるのですが、それ以外の用途で使われることもたまにあります。

 

まず一つは、単純に移調の道具として使われる場合です。

例えば童謡「ぶんぶんぶん」を弾きたいが、このままでは低くて歌えないとしましょう。そんなとき、適当なフレットにカポタストを装着して原曲のコードをそのまま弾けば、カポタストの分だけ音が高くなるので調度良いキーで歌うことができるのです。

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「C→Dm→G7→C」では低くて歌えないので、5フレットにカポタストを付けた上で改めて「C→Dm→G7→C」を弾きます。すると実際に出る音は「F→Gm→C7→F」になるので、快適に歌うことができます。

(ちなみに男性の歌を女性が歌う場合、だいたいこれぐらい上げると調度良くなります)

 

 

もう一つ、ギターの音域を広くするために使われることもあります。

ギターが2人いる場合、2人が全く同じ押さえ方でコードをジャカジャカ弾いても何も面白くありませんよね。そんなとき、片方がカポタストを付けて音を強制的に高くすることによって、もう片方の音域とずらすことが出来ます。

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例えばEのコードを弾くときに、片方はカポ無しで普通のE(譜例左)。もう片方は7フレットにカポを付けてAのコードを弾く(譜例右)。そうするとカポタストを付けたほうは通常のギターよりも高い音が出ますから、全体としては音域が広くなって和音がゴージャスに聞こえます。(実際に出る音はどちらもオクターブ下)

 

 

さて、コードの変化の法則についてもう少し補足説明をしたいのですが、ちょっと長くなってしまったので続きは後編で。

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