今日のテーマは、モーツァルトの交響曲第1番です。
ベートーベンが交響曲第1番を書いたのは、29~30歳のときです。ではモーツァルトが書いたのは何歳のときでしょうか。
答えは、8歳です。
鬼かよ Σ(゚д゚lll)!!!!
おそらく、作曲家として歴史上最大の天才がモーツァルトです。
ここで言う天才とは、作品が斬新であるとかテーマが深いという意味ではなく、アイデアが溢れて溢れて止まらない、ということです。
なにしろ35年という短い生涯で最低でも600曲以上の曲を書き残しています。
散逸してしまった曲も相当あるでしょうから、実際に作った曲数は計り知れません。(某ネット上の百科事典には900曲以上と書かれています)
900曲なら、平均すると一ヶ月で2.1曲のペースです。0歳とか1歳で作曲をしたわけではありませんから、実際にはもっと速いペースで書いています。
しかも、この中には交響曲やオペラといった大作もかなり含まれています。全く信じられません。
私も曲を作るスピードには自信があります。しかし交響曲やオペラを一ヶ月で2.1曲作れと言われたら絶対に無理です。そもそも書いたことないしw
では、そろそろ解説に入りましょう。
8歳の少年が書いたシンフォニー。音源はこちらです。
冒頭の音符は、階名で言うとドーミーソーです。超シンプルですね。
でも「やっぱ子供だな~」なんて思っていると次の和音でやられますよ。
E♭→A♭M7→B♭7→E♭add9→E♭/G→Fm7/A♭→B♭7
ナニコレwww
この曲が書かれた当時、コードに使われる数字は7thくらいで、M7やadd9なんて和音は有り得ません。
しかし、A♭M7のソの音は、前のE♭から引っ張ってきたもの。E♭add9のファの音は、前のB♭7から引っ張ってきたものです。
全長転位音、簡単に言うと解決しない掛留音ですが、前の和音から引っ張ってきているのでルール違反ではありません。
モーツァルトはこういった「ルール違反ではないけれど…」というのが大得意です。遊び心ある作曲家です。
しかもチョイスした和音がM7やadd9ですから、現代人にとっては何でもない和音ですが、おそらく当時の人にとっては不協和音に聞こえるギリギリのラインだったに違いない。いや、ギリアウトかもw
こういう点も、やはり天才だなと思います。
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次に、第2楽章です。
弦がひたすら和音を刻み続け、低弦がドレミファソ~とか、ドレミレド~とか、メロディらしきものを弾く。ただそれだけの楽章です。特にこれといった特徴はありませんw
はい次w 第3楽章です。
スケルツォかな? と一瞬思うのですが、どうやら違うようです。トリオが無いためでしょうか。冒頭の音符は第1楽章そのまんまですね。
途中でシ♭とラをぶつけるなど、やはり得意技を見せつけてきますね。
8歳の子供がこんなことをするなんて、恐ろしい限りです。
さて、モーツァルトは交響曲第1番を作曲した後、当然ですが第2番を作曲します。
しかし、モーツァルトの交響曲第2番とされている作品、最近の研究によって本人の作品ではないということが分かっています。
では一体誰が書いたのかと言うと、お父さんのレオポルト・モーツァルトという説が有力です。
レオポルトも一応作曲家で、現代はともかく当時はそれなりに有名だったようですが、息子の神の才能に気づいてからは息子のプロデュースでボロ儲けしています。
そんなパパ。きっと自分で書いた作品を息子が作ったことにして、「うちのせがれは子供なのにこんな曲を作っちゃうんだぜ~」というデマゴギーを堂々とやっていたのでしょう。
どれどれ、ちょっと第2番も聞いてみますか。
オヤジ嘘つくの下手だなオイwww
第1番からの成長具合が半端ないよwww
ほら、子供から頼まれた夏休みの宿題を、たまに本気でやってしまう親がいますよね。多分あれと一緒ですよ。
…ま、こんな捏造や疑惑もちらほらありますが、当時は見事バレなかったようで、モーツァルトは天才子役の名をほしいままにします。
他にも色々と面白いエピソードはあるのですが、それはまた別の機会に。