今回は、ジャズの歴史についてです。理論とかではなく、なるべく歴史オンリーで進めていきます。他の音楽史と違って、ジャズはほとんど一直線に、しかもだいたい10年毎に切り替わっていくので非常に覚えやすい。
というわけで早速ざっくり見ていきましょう。
1900年以前 ラグタイムやブルース
1900年代 ニューオーリンズ・ジャズ
10年代 ディキシーランド・ジャズ
20年代 スイング・ジャズ
30年代 ビッグバンド・ジャズ
40年代 ビ・バップ
50年代 モード・ジャズ
60年代 フリー・ジャズ
70年代 フュージョン
だいたいこんな感じです。ジャズに詳しい人は「ちょっとズレてるぞ!」とか「このジャンルが入っていないじゃないか!」などと言うかもしれませんが、ここではあくまで分かりやすく。初心者の方でも聴き比べた時に違いがハッキリ分かるように、且つ割と有名なジャンルだけで説明いたします。
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では順番に詳しく解説しましょうか。
まずは1900年代以前、ラグタイムやブルースといった音楽を土台にジャズが出来上がります。出来上がります、という言い方は適切ではないかもしれませんね。この時代はまだまだ一般的に連想されるような「ジャズ」とはちょっと遠いので。
ちょっと聞いてみましょう。
昔の映画のBGMに使われていそうな感じですね。このシンコペーションがジャズの土台になりました。
さて、次はニューオーリンズ・ジャズとディキシーランド・ジャズです。正直私もこの2つがどう違うのかよく分からないため、一緒に紹介してしまいましょう。
昔の映画のBGMからなかなか抜け出せませんねw
今ニューオーリンズ・ジャズやディキシーランド・ジャズと言えば、トランペットやクラリネットがいて、低音はコントラバスないしチューバ、あとはバンジョーやドラム、という編成になっていますが、当時はどうだったのでしょう。トランペットやクラリネットがいたのは確実でしょうが…。
ジャズは奴隷解放されたばかりの黒人が始めた音楽であり、また昔はそもそも楽器自体が少ないですから、そのへんにあるものを楽器代わりにして演奏したようです。今でもガラクタ楽器で演奏する人がたまにいますよね。大きいタライに棒を立てて、そこに太い弦を1本張ってベースにしたり。タライを叩いてパーカッションにしたり。おそらく当時もそんな感じだったのではないでしょうか。バンジョーだって由来はガラクタ楽器ですから。
さて、そんな中、スイング・ジャズやビッグバンド・ジャズが始まります。
4ビートのリズムやアドリブのソロも生まれ、このへんになると一気にジャズっぽくなってきます。地球上に変なデカイ昆虫みたいなのしか存在しなかったのに、一気に哺乳類が誕生したような感じがあります。
ここで重要になるのが、1920年にアメリカで制定された禁酒法です。私は酒が飲めないので、今この法律が出来たとしても全く困りませんがw
禁酒法という法律が出来たところで、飲みたい人間は隠れて飲むだけです。各地に違法酒場が出来上がり、その店内BGMのために多くのジャズミュージシャンが雇われました。
違法酒場で演奏なんかやってたら、音ですぐに警察にバレて摘発されんじゃねーの? と思うところですが、実はアメリカ政府としても警察としても本気で取り締まる気はありませんでした。
パトロール中に店からクラリネットやトランペットの音が聞こえてきても、その時は気づかなかったフリをして、勤務が終わったらその店でちょっと一杯。そんな警官もいたかもしれませんね。
また、ダンスホールでのBGMとして、デカイ音を出すためにビッグバンドが結成されました。
これは超定番曲ですね。
さて、ちょっと長くなってしまったので続きは後編で。