今日はdimコードの押さえ方について勉強しましょう。
使用頻度の高いコードであれば少々複雑な押さえ方でも覚えてしまいますが、dimはそうもいきませんね。しかし、実は覚え方にちょっとした裏技があるのです。
(以下、基本的にはギターの方向けに書かれていますが、鍵盤も使って説明するのでピアノの方でもご理解頂ける内容になっております)
dimの構成音
まずdimコードの構成音について考えてみましょう。Cdimは、次のような音で構成される和音です。
この和音を半音ずつ上昇させていくと、一体どうなるでしょうか。
おっと、ここで一旦ストップ!
このE♭dimの形、なんか見覚えがありませんか?
…そう、最初に登場したCdimと同じ音で構成されています。Cdimのルート音であるドの音が一番上に移動すると、何とE♭dimのコードが出来上がってしまうのです。
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一番下の音が一番上に行くと…
何でこんな不思議な現象が起こるのでしょうか。
実はこれは音と音との間隔に秘密があるのです。もう一度Cdimの構成音を見てみましょう。
よく見ると、ドの3つ先にミ♭、ミ♭の3つ先にソ♭…と、構成音が全て3つずつ離れています。最後のラからオクターブ上のドに行く場合も、やはり3つ分離れています。1オクターブの中には12の音がありますが、その12音の中に均等に4つの音が配置されているため、このような不思議な現象が起こるのです。
つまり、Cdim , E♭dim , F#dim , Adimは構成音が同じ。同様に、C#dim , Edim , Gdim , B♭dimは構成音が同じ。Ddim , Fdim , A♭dim , Bdimも構成音が同じということです。ややこしいw
たった3パターン
ということは、dimはルートの違いを無視すれば3パターンしか存在しないのです。
他のコードはそういう訳にはいきませんね。メジャーコードやマイナーコードは12パターン暗記しなければいけません。しかしdimは3つだけです。
早速覚えてしまいましょう。
Ddimの系統は、下図のようにも押さえられますね。
はい、これだけです。(5弦6弦は全てミュート)
3つしかなくて、しかも平行移動させるだけですから簡単ですね。ルートを無視することに抵抗のある方もいるかもしれませんが、dimは他のコードに比べてかなり不安定な性質を持っているメンヘラコードです。元々が「ヤバい奴」なので、ルートを無視するぐらい今更問題ではありません。
(ベーシストがいる場合は、ベースにルートを弾いてもらいましょう)
他のコードで代用!?
さて、ここでもう一つ裏技を紹介して終わりにしましょう。
「dimの押さえ方は理解できたけど、地味に難しい形をしているし、どのdimとどのdimが同じかなんて咄嗟には判断できないから、やはり覚えにくい!」
そんな方のために、7thコードで代用する方法があります。
…え、dimと7thって全然似てないだろって?
いえいえ、そんなことはありません。ちょっと下の図を見てください。
そもそもdimとはどんな和音かと言うと、7thコードに♭9thのテンションをくっつけて、そこから更にルートを省略した形なのです。
詳しくはこちら「減七の和音(dimコード)」でも解説しています。
つまりdimのご先祖様は7thコードなので、こっそり代用できてしまう場合が結構あるのです。
B♭ → Bdim → C とか
C → C#dim → Dm
のようなコード進行をよく見かけると思いますが、これは言い換えると、
B♭ → G7 → C
C → A7 → Dm
と同じ意味なのです。これならだいぶ楽になりますね。
ただし、♭9thのテンションが含まれていなかったり、ルートが省略されていない分、本物のdimに比べると不安定度はかなり落ちます。
さて、今回はdimの性質や意外な正体について勉強しましたね。
dimは3パターンしか存在しませんが、実は同じように「4パターンしか存在しない」というコードも存在します。それは一体何でしょうか。
ご自身で研究してみてください。