音楽理論 ざっくり解説

音楽理論をざっくり解説します。最低限のポイントだけ知りたい方へ

循環・逆循環

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今日は「循環コード」「逆循環コード」と呼ばれるコード進行について解説します。

理論的には極めて単純なコード進行なのですが、特に逆循環はなぜか人間の心にグッと来る進行で、古今東西様々な名曲に使われています。

このコード進行を使うだけで何となく良い曲が作れてしまいますから、初心者の方はこれを機にマスターしてしまいましょう。

 

ちなみに最近では、逆循環コードは「王道進行」という変な名前で呼ばれているらしいです。

「王道」という言葉を「スタンダード」とか「正しい」という意味で使っているのならやめましょう。別に他のコード進行が邪道というわけではないのですから。

ただし、辞書を引くと本来「王道」とは「楽な道・近道」という意味らしいので、こちらの意味で使っているのなら適切な名前です。

どうせなら「横着進行」とかにしちゃえばいいのにねw

 

グルグル循環

早速見てみましょう。まずは次のようなコード進行を考えます。

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シンプルですね。

ここにちょっと手を加えます。CとFの間にAmを入れて、さらにFをDmに変えてみましょう。

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はい。「Am→Dm→G」と、綺麗な4度進行が出来ました。これが循環コードと呼ばれるコード進行の一般的な形です。

 

この2小節を、「C→Am→Dm→G→C→Am→Dm→G→C…」とグルグル循環させるだけで曲が出来てしまうので「循環コード」と言います。

曲によってはAmがA7になったり、DmがD7になったり色々なパターンが存在しますが、とにかくこの一連の流れのことを循環コードと言います。

 

また、主音からの音程をとって「1→6→2→5」(いち ろく にー ごー)と言われることもあります。

ジャズのセッションなどで「とりあえずキーがFで、1625で回そう」などと言われることもありますので覚えておきましょう。ちなみにこの場合、Fから数えて1625ですから、「F→Dm→Gm→C」というコード進行をグルグル回すことになります。

 

ここで一点注意。

広義では、循環させることができるコードは全て循環コードと呼べるらしいです。

しかし循環できない進行なんてまず有り得ませんから、そうなるとほぼ全てのコード進行は循環コードということになってしまいます。

よってここでは極力狭い意味で循環コードを定義しています。

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使用例

先述のように、ジャズではよくこの進行が使われます。

いざ探してみるとあまり良い例が無かったのですが…とりあえず次の動画を見てみましょう。

www.youtube.com

スマホでご覧の方は見づらいかもしれませんが、左上に楽譜が出ています。

キーがB♭なので基本的には「B♭→G7→Cm→F7」という進行ですが、ところどころ代理コードを使って変化させていますね。

 

逆循環

ではここで、先程の循環コードの1小節目と2小節目を逆にしてみましょう。

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1小節目と2小節目を逆になったので、これを「逆循環コード」と言います。

「逆進行」と似ているので間違えないようにしましょう。

 

これも循環コード同様グルグル循環させるだけで曲が出来てしまいます。

一般的には次のような形でよく使われます。

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これも、FがDmになったり、EmがE7になったり、AmがA7になったり、2小節目がCとC7になったり、様々なバリエーションがあります。

細かい部分は置いといて、とにかくこの一連の流れを逆循環と言うのです。

 

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冒頭でも触れましたが、このコード進行はなぜか人間の心にグッと来て、曲が非常に盛り上がります。

 

使用例

突然ですがここで90年代・00年代のヒット曲の中から逆循環が使われているものを適当にピックアップしてみました。

(できれば2010年代からも選びたかったのですが、ほとんど知らない曲でしたw)

 

君がいるだけで 米米CLUB

涙のキッス サザンオールスターズ

もう恋なんてしない 槇原敬之

ロード THE虎舞竜

ロマンスの神様 広瀬香美

Hello, Again~昔からある場所~ MY LITTLE LOVER

Winter, again GLAY

LOVEマシーン モーニング娘

恋愛レボリューション21 モーニング娘

瞳をとじて 平井堅

One Love 嵐

 

こんなところでしょうか。いずれもサビで使われています。

「逆循環の変形バージョン」とか「一部だけ逆循環」のようなものも含めれば、もっと膨大な数になりますよ。

また、上記の曲はヒットチャートを見ながらピックアップしましたが、私は普段あまり流行りの曲を聞かないので、タイトルだけ見てもサビが浮かばず、抜けている曲が多数あると思われます。

 

ともかく、名曲揃いですね。

初心者の方は、作曲に行き詰まったら逆循環を使ってみましょう。面白いほど簡単に名曲が書けてしまいますよ。

 

ただし、もちろん使いすぎは禁物です。

昔私が出演したライブで、ギター弾き語りの女の子が対バンとして出演していたのですが、その女の子の曲のサビが全て逆循環でしたw しかもキーも全部一緒w

私は会場の一番後ろで、バンドメンバーと「今の曲とさっきの曲、何が違うの?」とヒソヒソ話していましたw

 

 

さて、今回は循環コード・逆循環コードについて解説しました。

しかし、長々解説しておいて申し訳ないのですが、コード進行のパターンを丸暗記するのは私はオススメしません。

パターンを丸暗記するのは、英語で言えば「How are you?」「I’m fine, thank you. And you?」みたいなフレーズを、何も考えずに丸暗記してしまうのと一緒なので、じゃあ元気ないときどうすんねん! という話になってしまいます。

この場合は、「How are you? と聞かれたら、I’m の後に何か自分の気持ちを表す形容詞をくっつけて答える」と覚えておけば、全ての状況に対応できます。

コード進行も同じように「このコードはドミナントだから、次はトニックに進むぞ」と、もっと大きな意味で捉えたほうが曲の幅は広がります。

パターンありきで曲を作ってしまうと、そこから外れたメロディを乗せることができなくなってしまいます。

無理にコードに合わせれば窮屈で不自然なメロディになってしまいますから、あまり良いことではありません。

 

ただ、循環・逆循環は曲に対してかなり良い効果が見込める進行であることを考えて、今回は敢えてこのパターンを解説しました。

「今の曲とさっきの曲、何が違うの?」などと言われないように、用法・用量を守って正しくお使いください。