音楽理論 ざっくり解説

音楽理論をざっくり解説します。最低限のポイントだけ知りたい方へ

ダイアトニックコード(マイナー)

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では続いて短調のダイアトニックコードについて解説します。

いきなりこのページにたどり着いてしまった方は、こちら「ダイアトニックコード(メジャー)」を読んでからもう一度来てください。

 

Ⅴ以外は一緒

長調バージョンがちゃんと理解できていれば、短調も似たようなものなのでそれほど難しくありません。早速見てみましょう。

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音階上の音に3度上の音をくっつけること。Ⅰ・Ⅲ・Ⅵがトニック、Ⅱ・Ⅳがサブドミナント、Ⅴ・Ⅶがドミナントという機能を持っていること。調が変わってもギリシア数字が同じなら機能は変わらないこと。全て長調と一緒です。

長調と違う点は、Ⅴの和音の第3音が#になっていることです。これが無いと何となく曲が締まらない感じになってしまいます。

ドミナントからトニックに進行したときのあの終止感は、「シ→ド」という導音の半音進行によって起こります。短調でも同様の効果を出すために、Ⅴの第3音は#にします。

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これによって「短調」なのに「メジャーコードが長調のときより多い」というアイロニーを抱えることになります。ま、これは音楽理論とは関係ないどうでもいい話ですがw

 

また、短音階には自然的短音階・和声的短音階・旋律的短音階という3種類のバージョンが存在します。本によってはご丁寧に3パターン全てのダイアトニックコードを紹介していたりしますが、初心者の方は混乱するだけなので無理して覚える必要はありません。

そもそも和声的短音階・旋律的短音階とは独立した音階ではありません。短音階で曲を作ろうとすると第6音と第7音がよく#になりがちなので、それを仕方なく理論化したものです。あまり気にしないほうがいいです。

詳しくはこちら「短音階」をご覧下さい。

 

AmかCmか

ところで…。

ポピュラー音楽では、上のようにイ短調(Am)がハ長調(C)に対応する短音階とされます。当サイトはポピュラー音楽初心者の方を対象に書いているので、ここでもそれに倣ってAmを例として挙げています。

Amには調号が無いため、楽譜を読むのも演奏するのも簡単、という利点があります。

 

一方クラシックでは、ハ長調(C)に対応する短音階はハ短調(Cm)です。♭が3個もあって分かりにくいのですが、これが一番基本的な短音階とされています。

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わざわざCmを使う利点は何か。

はい。先程言ったように、長調でも短調でもギリシア数字が同じなら和音の機能は同じです。ということは、長調の理論をマスターしていれば、簡単に短調に変換できるのです。

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このように、とりあえず長調でコード進行を考えて、それに後から♭を3つ付け加えれば短調の曲が出来てしまいます。シをナチュラルにするのを忘れずに。

 

さて、ここで面白いことに気づかないでしょうか。

長調でも短調でも、ギリシア数字が同じなら機能は同じ。と言うことは、短調のスリーコードは「Cm・Fm・G」ということになりますね。(Amで言うと、Am・Dm・E)

何を当たり前のことを…と思われるかもしれません。しかし、ポピュラー音楽の経験がある方ならご存知だと思いますが、ポピュラーでは「Am・F・G」がスリーコードのような顔をしている曲が多数あるのです。

どうしてこうなったのかは分かりませんが、とにかくポピュラー音楽の短調の曲には「Am・Dm・E」という真のスリーコードと、「Am・F・G」という偽スリーコードが共存していることを覚えておきましょう。

(一応言っておきますが、偽スリーコードという名称は私が勝手に考えたものなので誰にも通じませんよ)

 

ダイアトニックコード一覧

ではそろそろ各調のダイアトニックコードを紹介しましょう。

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すげー多いな…( ̄д ̄;)

 

何度も確認しましたが、あまりに調号が多いキーは普段使わないので、間違っているのではないかと不安になりますw

ちなみに長調のときと同様、#7つのキーと♭7つのキーが使われることはまずありません。

 

それでは具体的に一つ一つの和音を解説して終わりにしましょう。

 

Am(Ⅰの和音)

長調のときと同様、この和音が曲のリーダーを務めます。1番目の和音だから一番偉いのです。

 

進行可能コード…全部

おすすめ進行…全部

 

Bm(♭5) (Ⅱの和音)

この形の和音は減三和音と言います。長調ではⅦの和音を任され、ほとんど出番のないモブキャラだったのですが、短調ではⅡの和音を任されています。超重要キャラです。

Ⅱの和音の一番の見せ場は「Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ」という進行です。Amの場合は「Bm(♭5) → E → Am」となります。たまに長調(平行調)でもこの進行がそのまま見られることがありますが、これは長調のⅦの和音を使っているわけではなく、この部分だけ短調に一瞬だけ転調して「Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ」という進行をしている、と解釈するのです。

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進行可能コード…状況によるがDm(Ⅳ)を除く全部

おすすめ進行…E(Ⅴ)

 

C(Ⅲの和音)

このお方は長調のときのⅠの和音であらせられる。今は第一線を退かれたが、その高貴なオーラは今もなお健在。和音界の水戸黄門である。

 

…えーっと、何が言いたいのかと言うと、「音のパワー」みたいなものを比べると、やはり短調よりも長調のほうが強いんですよ。だから短調で下手にⅢの和音を使ってしまうと「あれ、この曲ってAmじゃなくてCだったっけ?」というハッキリしない印象を与えてしまいます。

そのせいか、クラシックでは長調のとき以上に使われない気がします。

 

逆に言えば、あまり暗い曲にしたくない場合はCを適度に混ぜることで暗さを中和することができます。

事実、ポップスには「Am→F→G→C」のような進行を使った曲が沢山あるわけで…まぁここまで来ると、Amの曲が完全にCに乗っ取られてますがw

 

進行可能コード…ポピュラーなら全部行ける気がする

おすすめ進行…ポピュラーなら全部行ける気がする

 

Dm(Ⅳの和音)

サブドミナント代表、Ⅳの和音です。短調の場合「ファ→ソ#」と進行してしまうと増音程になってしまうので注意しましょう。

重要な和音の割には、それ以外特に解説することはありませんw

 

進行可能コード…全部

おすすめ進行…状況によるが全部

 

E(Ⅴの和音)

ドミナント代表、Ⅴの和音です。先述したように、終止感を出すために第3音は#にします。ポピュラーの場合、Emのままで使われることも無いわけではないのですが、ドミナント感は全くなくなってしまいます。

また、長調のときと同様に7thの音をくっつけてE7にするとトニックに行きたがるパワーがアップします。

 

Fのコードは一見サブドミナントかと思ってしまいますが、短調(Am)ではⅥの和音に位置するので、実はトニックです。よって「E7→F」という進行は堂々と使って良いということになります。

長調のときの「G7→F」は禁則でしたが、「E7→F」は余裕で合法です。なんか不思議な感じがしますね。

 

進行可能コード…トニック

おすすめ進行…Am(Ⅰ)とF(Ⅵ)

 

F(Ⅵの和音)

先程言ったように本来はトニックなのですが、ポピュラーでは「Am・F・G」という偽スリーコードのためにサブドミナント的な面も持つ和音です。

トニックから繋いでくることも出来るし、ドミナントから繋いでくることも出来るし、サブドミナント的性質を利用すればⅠに進行することも出来るし、非常に使い勝手の良い和音です。

使い勝手が良すぎて、特に解説することがありませんw

 

進行可能コード…ポピュラーなら全部

おすすめ進行…ポピュラーなら全部

 

G(Ⅶの和音)

クラシックではモブキャラのⅦの和音ですが、ポピュラーでは偽スリーコードのために大活躍します。「Am→G→Am→G→Am→G…」だけで曲が出来てしまうくらいw

また、GとAmの間にE7を挟むことで「ソ→ソ#→ラ」という綺麗な半音進行をしながらトニックに行くパターンもよく使われます。

 

進行可能コード…トニック

おすすめ進行…Am(Ⅰ)とC(Ⅲ)

 

はい、これで長調・短調両方のダイアトニックコードの解説が終わりました。色々なコード進行のパターンを試しながら曲を作ってみましょう。