音楽理論 ざっくり解説

音楽理論をざっくり解説します。最低限のポイントだけ知りたい方へ

ピアノのペダル

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ピアノのペダルは3本あって、右がダンパー・ペダル、真ん中がソステヌート・ペダル、左がソフト・ペダル。

右はラウド・ペダル、サスティーン・ペダルなど、他にも様々な呼び方があります。

ピアノの弦には「ダンパー」と呼ばれる止音装置が付いています。

通常は打鍵をするとこのダンパーが弦から離れ、鍵盤から指を離すとダンパーが再び弦に触れます。

これにより、打鍵している間だけ音が鳴り、且つ(鍵盤を押していない)他の音は鳴らないようになっています。

右側のペダルを踏むと、打鍵しているかどうかに関係なく全てのダンパーが弦から離れます。

すると鍵盤から指を離してもずっと音が伸び続け、またその音が他の弦に共鳴することにより、リバーブのような豊かな響きが得られるようになります。

 

ハーフ・ペダル

ダンパー・ペダルは「どの程度踏み込むか」によって音が微妙に変わります。

完全に下まで踏み込むのではなく、少しだけ踏むことを「ハーフ・ペダル」と言います。

 

まず、ダンパーが弦から離れるか離れないかのギリギリの位置を狙って踏んでみましょう。

この位置だとサスティン具合が(完全に踏んだときと比べて)抑えられるとともに、ダンパーが弦に微妙に触れているためハーモニクスのキンキン音が聞こえます。

 

次にダンパーの形に注目してみましょう。

弦に触れる部分を見てみると真ん中のドより上は四角形。

そこから下の約1オクターブはW字型、更に低音側はV字型、最低音の1オクターブ弱はまたW字型になっています。

四角形ダンパーが弦からほんの僅か離れた状態ではそれ以外のダンパーはまだ弦に触れており、更にもう少しだけペダルを踏むとV字型と左側のW字型がほぼ同時に弦から離れ、最後に右側のW字型が離れます。

当然この各段階は、ペダルを完全に下まで踏んだときとは音の響き方が微妙に変わります。

 

つまりダンパー・ペダルの踏み方は、単純に考えただけでも「全く踏まない」「ギリギリ」「VとWは触れている」「右側のWだけ触れている」「完全に踏む」の5段階があります。

上手い人はもっと何段階も使い分けるらしいのですが、私は(少なくとも実際の演奏中は)踏むか踏まないかの2段階しか無理ですw

 

ちなみに鍵盤の高い方1オクターブ半くらいは元々ダンパーが無いため、ペダルに関係なくいつでもサスティン・共鳴します。

 

 

ソステヌート・ペダル

真ん中のペダルは操作方法の説明がなかなか難しいのですが、まず先に打鍵をする。

打鍵している間にこのペダルを踏むと、その打鍵していた音だけが伸びてそれ以外の音は伸びない、という状態になります。

 

使いどころがなかなか難しいのですが、ダンパー・ペダルでは響きすぎ、しかしペダル無しでは物足りない…というときに使います。

 

ソフト・ペダル

左側のペダルを踏むとピアノの弦を叩くハンマーが横にずれ、普段3本の弦を叩いているハンマーは2本、普段2本の弦を叩いているハンマーは1本だけを叩くことになり、音が弱くなります。

ただし実際には、このペダルを踏むと音色がかなり変化するため、弱音よりもそちらの効果を狙って使われることが多い。

 

ちなみにこのペダルも踏み込み具合によって音が変わります。

ピアノのハンマーのフェルトは、弦が当たる部分が筋になって凹んでいますよね。

先程言ったように、ソフト・ペダルを完全に踏み込むとハンマーが弦1本分横にズレるのですが、ハーフ・ペダルにすることによって、フェルトの筋になっていない部分が弦に当たる。

これによって音色が微妙に変わる…らしいのですが、私には違いがよく分かりませんw

 

アップライト

アップライト・ピアノの場合も、右はサスティン・ペダル。

しかし他の2つはグランド・ピアノとは少し異なります。

 

まず真ん中は弱音用のペダルです。

これを踏むと、なんと布状のフェルトがハンマーと弦の間に入り込み、それによって音が小さくなります。

このペダルも、グランド・ピアノのソフト・ペダルと同様…いや、それ以上に音色が変化します。

また、踏んだペダルを左方向にズラすことで、踏みっぱなしの状態で固定できます。

 

左のペダルも弱音用で、これを踏むとハンマーが弦に近付き、弦を叩く勢いが弱まることで音が小さくなる…はずなのですが、あまり違いは分かりませんw

 

記譜法

ペダルの記譜法について軽く説明します。

ダンパーペダルを踏むタイミングを楽譜上で指定する場合、踏むときは「ped.」離すときは「✱」のような記号で表します。

 

このように線で表すこともあります。

 

それ以外のペダルの表記はまず見かけることはないのですが、ソステヌート・ペダルのときはこのように書きます。

 

ソフト・ペダルは、踏むときはuna corda、離すときはtre cordeと書きます。

una cordaは1本の弦、tre cordeは3本の弦という意味なのですが、でも同一の鍵盤で、叩く弦の数が1本と3本になることなんてないんだよなぁ…

 

タイミング

ペダルを踏むタイミングについて考えてみましょう。(このチャプターでペダルと言った場合、全てダンパー・ペダルを指します)

先程少し触れましたが、ペダルの効果はサスティンと共鳴。

 

サスティン面は、特に難しいことはありません。

最初の和音を打鍵した直後にペダルを踏み、次の和音の打鍵と同時にペダルを踏み直す。

こうすることにより、和音の切り替わり時でも音が途切れず、且つ音を濁らせることなく切り替えられます。


 

次に共鳴について考えてみましょう。

基本的に、ペダルを踏みっぱなしで弾いていると、時間とともに音がどんどん他の弦に共鳴してグワングワンしてきます。

 

つまり打鍵した瞬間から共鳴させたり、或いは通常よりも大きな共鳴を得たいときは、打鍵の前からペダルを踏んでおけばいいのです。

ただこの技は曲の始めか、休符で一旦音が途切れたときにしか使えないのですが…w

 

また、ペダルを離すのを少し遅らせる…つまり次の和音を打鍵したほんの少し後に離すと、グワングワンした雑音の中から新しい和音がフワッと浮かび上がるような効果が出せます。


 

逆に、当然ですがペダルを離せば共鳴は一旦ミュートされます。

曲のテンポが遅いとき、或いは同じ和音がずっと続くときなどは、ずっと踏みっぱなしだと共鳴しすぎて段々音がグワングワンしてくるので、こまめに踏み直すことも重要です。

共鳴が急にミュートされると、音量も急に小さくなったように聞こえます。

完全に共鳴がなくなってしまうのが寂しいなら、先程言った「ダンパーが弦から触れるか触れないかのギリギリの位置」これを狙うといい。

こうすればバッサリ音がなくなることはありません。

これは今まで説明した全てのテクニックについて同様です。

 

つまりピアノの音を小さくする方法には、

  1. 打鍵はしたままハーフ・ペダル
  2. 打鍵はしたままペダルを完全に離す
  3. 鍵盤を離してハーフ・ペダル
  4. 鍵盤もペダルも完全に離す

の4種類があります。

先程言ったようにハーフ・ペダルにはいくつかのバリエーションがあるし、鍵盤も何音押さえたままで何音離すか…みたいなことが考えられます。

ピアノは一度打鍵したら(自然な減衰を除いて)音量を変えられないと見せかけて、実は奥が深いのです。

 

今回の解説は以上です。