音楽理論 ざっくり解説

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奏法記号 後編

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奏法記号 後編です。前編はこちら(奏法記号 前編

前編で紹介できなかった記号と、あとは何記号に分類されるのかよく分からないものについて解説していきます。

 

まずはフェルマータです。

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目玉のようなマークで表します。音楽の教科書には「ほどよく伸ばす」とか「2~3倍に伸ばす」と書かれていますが、本来の意味は「停止」です。音楽が一旦そこで停止するので、結果的に音が伸びるというわけです。

イタリアでは、バス停に「fermata」と書かれているそうです。だからバスはそこで停止します。別にバスが2~3倍に伸びるわけではありませんw

 

 

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続いてはこの波線の記号です。

これはアルペジオを表します。アルペジオと言っても、ギターがよくやる、弦を一本ずつ弾いていくあの奏法のことではありません。

この記号が書いてあったら、ドミソを同時に弾くのではなく、ゆっくりと「ジャラララ~ン」と弾きなさいという意味です。

右側の下矢印の記号の場合は、高い音から低い音に向かってジャラララ~ンと弾きます。アコギでやるとなかなか味がありますよ。

 

 

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これはグリッサンドを表す記号です。

上の譜例の場合、例えば弦楽器ならばソからドまで左手を離すことなくポジションを移動させて、音を滑らかに繋ぎます。

クラシックではあまり見かけませんが、ポピュラーでは定番テクニックですね。ギターやベースでは音が指定されていない場合も多いです。つまり、始まりの音や終わりの音を気にせずに、適当に左手を「グィ~ン」と動かします。

ピアノでもやりますが、ピアノは広い音域を滑らすことができるせいか、ギターやベースよりも効果が出てしまいます。よって必殺技的な感じで温存しておいて、普段はあまりやらないほうがいいでしょう。

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奏法記号は、他にも各楽器固有のものが沢山あります。全てを紹介することは当然できないので、代表としてバイオリンの記号を軽く紹介したいと思います。

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まず1が下げ弓(ダウン)2が上げ弓(アップ)です。私は2の記号が下向きの矢印に見えてしまうので、アップなのかダウンなのか毎回混乱していますw

3はピチカート。バイオリンの弦を指で弾く記号です。それに対して4はアルコ(弓)で弾けという指示です。

5と6はハーモニクスに関する指示です。5の場合、レのポジションを押さえながら、他の指でソのポジションに軽く触れることでハーモニクスを出します。(結果的に2オクターブ上のレの音が出る)

6の場合、楽譜に書かれている音(ミ)が実音として鳴るように、自分でポジションを考えてハーモニクスを弾きなさい、という意味の記号です。これはなかなかバイオレンスですね。初見では弾けません。

 

 

はい、では最後に省略記号について軽く解説して終わりにしたいと思います。

まずはトレモロです。

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音符の棒の部分に斜めの線を書いて表します。斜線と連打スピードの関係は状況によって細かく決められているようですが、基本的には1本書くと八分音符で連打、2本書くと16分音符で連打、3本書くと「できるだけ速く」という意味になるようです。なぜ3本になった途端に指示が雑になるんだろうw

全音符の場合は棒がないので、空中に斜線を書きます。

また、2つの音符の間に斜線を書くことで「この2音を反復しなさい」という意味になります。

 

 

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あまりにも高い音や低い音を五線上に書きたい場合、加線だらけになると読みづらいため、1~2オクターブ移動させて書く方法があります。

記譜よりも1オクターブ高い音を弾いてほしい場合、「Ottava alta」「8va alta」「8va」などと書きます。低く弾いて欲しい場合はaltaの部分がbassaになります。

では2オクターブの場合は16vaか…と思いきや、実は「15ma」というフェイントが繰り出されます。

音程の数え方が分かる人は冷静に考えてみましょう。1オクターブ上の音は8度ですが、2オクターブ上の音は15度ですよね。同じ音を1度と定義してしまったために、こんな所にまで歪みが生じてしまったのでした。

 

ちなみに…。

「alta」とはアルトのことです。アルトは一般的に女声の低い声を指しますが、実はイタリア語で「高い」という意味なのです(男の声より高いという意味)。よって「8va alta」で「1オクターブ高く」となるのです。

 

 

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前の小節と同じことを繰り返す場合は「%」のような形の記号を書いて省略することができます。斜めの線が1本のバージョンと2本のバージョンがありますが、本によってバラバラなので、きっと統一されていないのでしょう。

バンドスコアを見ると、ドラムのパートにはこの記号がひたすら書かれていたりしますw

 

 

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一拍前と同じことを繰り返す場合は、単なる斜線で表すことができます。先程の「%」に比べれば、あまり使われることはありません。これも本によっては1本だったり2本だったりします。

 

さて、これで主な記号はだいたい紹介いたしました。沢山あるので初心者の方は覚えるのが大変ですね。

 

奏法記号、半端ないって~(;`□´)!! 

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