今日のテーマは長音階です。
簡単に言えばドレミファソラシドのことですね。早速見てみましょう。
はい、音楽をやったことがない人でも誰でも知っているドレミファソラシドです。
ピアノの鍵盤の白い部分を順番に弾いていけば簡単に出来上がります。
音階には凹凸がある
鍵盤でも見てみましょう。
白鍵を順番に弾いていくだけなので分かりにくいのですが、よく見ると各音の音程に差があります。
ドからレ、或いはレからミに上がるときは、黒鍵も含めると鍵盤2つ分上がっていますが、それに対してミからファに上がるときと、シからドに上がるときは鍵盤1つ分しか上がっていません。
(ギターで言うと、鍵盤2つ分は2フレット分。鍵盤1つ分は1フレット分)
もちろん、面倒だからミファ間とシド間には黒鍵を作らなかったとか、そういうことではありません。
周波数で見てみましょう。
「ド→レ」や「レ→ミ」に対して「ミ→ファ」は上がり幅が狭いですね。この「×1.06」という上がり幅は半音の幅と同じです。
このように、元々ミファ間とシド間は半音分(1フレット分)の音程しか無いのです。
つまり長音階とは、3番目の音から4番目の音(ミからファ)に上がるときと、7番目の音から8番目の音(シからド)に上がるときに半音上がるパターンを持った音階です。
この法則さえ守れば、どの音から始めようとも長音階を作ることができます。
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作ってみよう
では実際に、レから始まる長音階を作ってみましょう。
1番目・2番目・3番目の音は、それぞれ鍵盤2つ分離れています。つまり、2番目の音はミで、3番目の音はファ#ですね。
3番目・4番目間は鍵盤1つ分しか離れていないので、この次の音はソです。
4番目・5番目・6番目・7番目の音程は、それぞれ鍵盤2つ分離れています。
7番目・8番目間は鍵盤1つ分です。
はい、レから始まる長音階が出来上がりました。試しに弾いてみましょう。
なんと! レから始めたのに、ちゃんと「ドレミファソラシド」に聞こえますね。大成功です。
この辺りについてもっと知りたい方は、こちら「移調」も合わせてご覧下さい。
長音階一覧
では、どのような長音階が存在するのか主音(最初の音)順に見ていきましょう。
すげー多いな…( ̄д ̄;)
しかしどの音階も「3番目から4番目」と「7番目から8番目」に上がるときは鍵盤1つ分しか上がっていませんね。
手元に楽器がある方は実際に弾いてみましょう。先程のように、どの音階も「ドレミファソラシド」に聞こえますよ。
…え、なぜ2番目の音階はド#ではなくレ♭から始まっているのかって?
鋭い質問ですね。ド#もレ♭も同じ音なので(厳密に言うと違うのですが、ピアノやギターでは結局同じ)どちらから始まっても構わないのですが、ではド#から始まる長音階を書いてみて下さい。
#が7つも必要ですよね。#を7つ書くよりは♭を5個書いたほうがマシなので、レ♭から始めるというわけです。
面白いのは嬰ヘ長調で、これはファ#から始めてもソ♭から始めても調号を6つ書かなくてはいけないという困った奴ですw
ちなみに五線譜の下側に書いてあるのはその音階の名前で、日本語・英語・ドイツ語の順に記してあります。
なぜ3種類も必要なのかと言うと、ポピュラーの人は英語を使い、クラシックの人はドイツ語を使うからです。日本語はあまり使われませんw
ポピュラーかクラシックか、まずは自分の学びたいほうの言語で覚えましょう。
では次に、長音階を調号順に並べ直しましょう。
キーを上下させるときには先程の主音順のほうが便利なのですが、暗記する際は調号順のほうが便利です。
まずは#が付く音階。
次に♭が付く音階。
やっぱりすげー多いな…( ̄д ̄;)
覚え方としては、#が1個増えると主音が5度上がり、♭が1個増えると主音は4度上がります。
音の名前
音階上の音には、それぞれ役職のような名前が付けられています。
私が先程からちょいちょい言ってしまっているように、最初の音は「主音」と呼ばれます。
同様に、5番目の音は「属音」と言います。
属音は主音を支えるような役割があり、主音に次いで大事な音です。
4番目の音は「下属音」です。属音の一つ下の音ですね。
7番目の音は「導音」です。
由来は、和声的に主音を導く音だからですね。
以上の4つの音を覚えておけば問題ないのですが、一応それ以外の音にも名前が付いています。
上主音は上属音と呼ばれることもあります。
英語で「スーパートニック」と言うので、「物凄いトニック」なのか!? と思ってしまうところですが、実は単純に「トニックの一つ上」という意味です。
上主音・中音・下中音はかなりマニアックなので、初心者の方は覚えなくて結構です。
音階と旋法
最後に、音階と旋法の違いについて軽く勉強して終わりにしましょう。
音階とは、音を音高順に並べたものです。
それに対して旋法とは、その音階の中で、主音がどうとか、属音がどうとか、音域がどうとか、特徴や性質が細かく定められたものを指します。
つまり、音階という大カテゴリの中に、旋法という小カテゴリが存在するのです。
音楽用語に詳しい方は「全音階」「半音階」という言葉を思い出して頂ければ分かりやすいかと思います。
これらは音がただ並んでいるだけで、別に主音とか属音は決められていませんよね。
一方、旋法は「ドリア旋法」「フリジア旋法」などが存在します。
ドリアもフリジアも、大カテゴリ的には全音階に属していますが、主音や属音などが決められているので「旋法」です。
長音階・短音階も、もちろん主音や属音などが決められているので、音階ではなく旋法です。
よって本来は長旋法・短旋法とでも呼ぶべきなのですが、なぜか慣習的に長音階・短音階と呼ばれます。
音楽七不思議の一つです。
では次は短音階を勉強しましょう。