音楽理論 ざっくり解説

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ノンダイアトニックコードを使う 前編

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今日のテーマはノンダイアトニックコードです。

ダイアトニックコードとは、簡単に言えば#も♭も使わない和音という意味です。例えばハ長調だったら白鍵だけを使用して作った和音ということです。

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こういうやつ。

 

今回解説するのは「ノン」ダイアトニックコードなので、#や♭を使ったコードです。それを曲中にどのように組み込んでいくかという話をします。

 

基本はⅤ7→Ⅰ

早速ですが、和音進行の基本となるのはⅤ7→Ⅰという流れです。つまり5番目の和音から1番目の和音への進行。ハ長調で言うと「G7→C」ですね。

Ⅴの和音は「導音」と呼ばれるシの音を含んでいます。これが半音上のドの音に進みたがる性質を持つのですが、ここに7thの音であるファが加わるとⅠの和音に進みたがるパワーがアップし、自然な流れのコード進行が出来上がるのです。

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ではここで実験です。

G7のコードの前にも「導音+7th」を含む和音を置いてやれば、その和音はG7に進みたがる性質を持つので、さらに自然な流れが出来るのではないでしょうか。

 

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はい、実際に作ってみました。

D7を置くと、D7の「導音+7th」の働きによってGへとスムーズに繋がります。そのGにも7thの音を加えてG7とすると、G7はCへとスムーズに繋がり、「D7→G7→C」という綺麗な流れが出来上がるのです。

 

さて、ところでD7のコードにはファ#の音が含まれていますね。これは当然ハ長調音階には含まれない音です。このように、元々の音階には含まれない音を使用して作ったコードのことをノンダイアトニックコードと言うのです。

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ばよえ~ん

今、GをⅠと見なして、それに対するⅤの和音であるD7をくっつけました。ではさらにDをⅠと見なしたらどうなるでしょうか。

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もう説明しなくてもお分かりだとは思いますが、Dの前にA7を置くことができます。さらにその前にE7を、さらにその前にB7、さらに…と言った具合に、永遠に連鎖させることが出来ます。

 

G以外にくっつける

ここで、勘の良い方はお気づきですね。

「どんな和音であっても、Ⅰであると見なしてしまえば、その前にⅤに相当する和音を置くことができるのではないか」

 

はい、その通りです。

例えば冒頭でダイアトニックコードを紹介しましたが、あの各和音の前にⅤの和音を置くとどうなるでしょうか。

DmをⅠとすると、その前にⅤの和音であるA7を置くことが出来ます。Emの前にはB7を置くことが出来ます。Fの前にC7。Gの前にD7。Amの前にE7。Bm(♭5)の前にF#7を置くことが出来ますね。

一旦まとめましょう。

 

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これによって、例えば「C→Dm」のようなコード進行を「C→A7→Dm」と変形することができます。

 

これらの和音を「セカンダリードミナント」と言います。クラシックでは副Ⅴ・副5度・副属七などと呼ばれる和音ですね。

なぜ「セカンダリー」なのかと言うと、最も主要なドミナントであるG7を「プライマリードミナント」と呼ぶからなのです。ちなみにセカンダリードミナントの中でもD7はプライマリードミナントにくっつくドミナント、つまりドミナントのドミナントなので「ドッペルドミナント」、もしくは「ダブルドミナント」と呼ばれます。

そして先程のドミナントが連鎖している状態は「エクステンデッドドミナント」と言うらしいです。

 

うわ、覚えられね~…と思ったそこの貴方、こんなややこしい名前を覚える必要は一切ありません。大事なのは「Ⅰと見なせばその前にⅤを置くことができる」という理屈の方です。私も理屈はもちろん知っておりましたが、名前があったなんてつい最近まで知りませんでした。

 

ここで一点注意。 

Bm(♭5)のコードはメジャーでもマイナーでもないため、Ⅰの和音と見なすことが出来ません。よってF#7は厳密に言うとセカンダリードミナントには含まれないし、そもそも「F#7→Bm(♭5)」という進行自体がほぼ使われません。

ま、こんな響きですからねw

ポピュラーでは禁則にはならないと思うので、使いたい方は自己責任でどうぞw

 

Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ

終止形の定番と言えば「Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ」ですね。ハ長調で言うと「Dm→G→C」です。これを他のドミナントに応用するとどうなるでしょうか。

つまり、先程はある和音をⅠと見なしてその前にⅤを置きましたが、それを発展させて今度はさらにⅤの前にⅡを置くのです。

 

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はい、こうなります。

このⅡの和音をリレイテッドⅡm7と言うらしいです。読み方は「リレイテッド・ツーマイナーセブン」です。この名前も私は知りませんでした。大事なのは名前ではなく「Ⅴの前にⅡが置ける」という理屈です。

 

上の図では全部マイナーセブンの形で書きましたが、♭5させたほうが良い場合もあります。Em7、F#m7、Bm7は、最終到達点(Ⅰと見なす和音)がマイナーコードですね。短調のⅡの和音は♭5なので、これら3つのコードは♭5の形にしてあげたほうが自然な流れになります。

ただし、♭5させないほうが良い場合もあるし、逆にGm7やAm7を♭5させることもあるし、結局はその時の状況によります。

 

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Cに戻る際の組み合わせが色々考えられますね。

 

裏コード

ここで裏コードについて勉強しましょう。裏コードとは、ある7thコードと同じトライトーンを持つもう一つのコードのことです。難しいですね。

 

トライトーンというのは、先程登場した「導音+7th」のことです。全音3つ分の音程なのでそう呼ばれます。

つまりG7だと「シとファ」ですが、実はこの「シとファ」を構成音に持つ7thコードがもう一つ存在し、そのコードをG7に対する裏コードと呼ぶのです。

 

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はい、C#7(D♭7)がそうですね。

同じトライトーンを持つ者同士なので、この2つのコードは当然ながら似たような性質を持ちます。よってG7はD♭7の代理コードとして、逆にD♭7はG7の代理コードとしていつでも置換可能なのです。

 

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なんか変な感じですねw

このFがDmになると、「Dm→D♭7→C」という綺麗な半音進行が出来上がります。私が以前やっていたバンドのギタリストはこの進行が大好きで、彼の作る曲にはだいたいコレが使われていましたw

 

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裏コードの考えを取り入れると、バリエーションがさらに増えますね。

まだまだ説明したいことはあるのですが、ちょっと長くなってしまったので続きは後編で。

www.mie238f.com