今日のテーマは、音名と階名です。
おそらく音楽の授業で多くの方が混乱するポイントではないでしょうか。下手な数学の問題なんかより混乱するかもしれません。
結論から言うと、音名とは音の名前。階名とは順番の名前です。
はい、解説終わり!
…と言いたいところですが、それではさっぱり分からないと思うので、詳しく説明していきたいと思います。
音名は「音の名前」
まずは音名からです。これは単なる音の名前なので別に難しくありません。
音楽の話をするときに「あの音」「この音」「その音」では相手に上手く伝わりません。そこで各音に名前をつけることにしました。
これなら「このCの音がさぁ…」と言えばスムーズに伝わります。一件落着。
音名は音の名前なので、絶対に変わることはありません。CはいつでもCです。
ちなみに…。
このへんを詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。
www.mie238f.com
え、なぜAからではなくCからなのか?
えっと…、超長くなるので省略しますw
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上昇パターンが同じなら…
次に階名です。
まずは例として、以下の3つの音階を考えてみましょう。
これらの音階は、全部同じように聞こえます。試しにちょっと聞いてみましょう。
最初の音が違うので完全に同じではありませんが、まぁ似たようなもんですよね。
なぜ同じように聞こえるかと言うと、音の上昇パターンが同じだからです。
どの音階も、最初の音から2番目の音に上がるときはピアノの鍵盤2つ分上がっていますね(黒鍵も含めて考える)。2番目の音から3番目の音に上がる時も2つ分。3番目から4番目のときは1つ分だけ。…以下省略。
不思議ですが、何の音から始まろうとも、音の上昇パターンさえ一緒であれば同じような音階に聞こえるのです。
…と言うことは!
それぞれの音階の1番目の音・2番目の音・3番目の音…の名前は全部一緒でいいと思いませんか? だって何の音から始まろうとも、どうせ同じように聞こえるんだから。
「#が1個のときの音階はGABCD…」「#が2個のときはDEF#GA…」と覚えるのは大変なので、統一してしまいましょう。
はい、というわけで私が勝手に上のように命名してみました。いかがでしょうか。
何の音から始まろうとも、1番目の音は子、2番目の音は丑、3番目の音は寅…です。何度も繰り返しますが、どうせ全部同じように聞こえるのでこれでいいのです。
しかしこれだと書くのが大変ですね。しかもちょっと歌いづらいです。
試しに「きらきら星」を歌ってみましょう。「ねーねー、たつたつ、みーみー、たつー、うーうー、とらとら、うしうし、ねー」
歌いづらっ ( ̄□ ̄;)!!
階名は「順番の名前」
そこで、11世紀に活躍した大音楽家グイード・ダレッツォ先生が次のような素敵な名前を考えてくれました。
はい、これが我々が普段使っているドレミファソラシドです。何の音から始まろうとも、1番目の音がド、2番目の音がレです。
そして、このドレミファソラシドのことを階名と言うのです。冒頭で「階名とは順番のことだ!」と言いましたね。それはこういう意味だったのです。順番を表しているだけなので、その音が何番目に並んでいるかによって呼ばれ方は変わります。
例えば、図のハ長調音階(一番上)ではCの音はドと呼ばれますが、ト長調音階(真ん中)ではCはファと呼ばれています。並んでいる順番が変わったので名前も変わったのです。
本来ドレミファソラシドとは階名を表すものなので、「ド=1番目の音」「レ=2番目の音」という意味でしかありませんでした。しかし時代とともに「ド=C」「レ=D」という、音名としての意味も持つようになってしまい、現在の困った状況が出来上がりました。
音名のドレミと階名のドレミをゴチャゴチャに使用するので、音楽の授業で「ニ長調のレはドだよ」などと言われて音楽嫌いになる子供が後を絶たないのです。
…ま、そういう私もドレミを音名として使っていますが。と言うか、普段階名を使う機会がない。
蛇足
はい、これで一通り解説は終わりましたが、理解できましたか?
理解できなかった人のために、もう少し説明を加えて終わりにしましょう。
野球のイチロー選手は、主に1番バッターとして活躍していましたが、日本にいた頃は3番や4番での出場もあったし、晩年は8番や9番もありました。
イチローがゲシュタルト崩壊しそうだw
「イチロー」というのは人の名前なので、絶対に変わることはありません。イチローが急に松井になるということは有り得ません。これが音名です。
一方、打順はコロコロ変わります。その日によってイチローは「1番バッター」と呼ばれたり「4番バッター」と呼ばれたりします。これが階名です。
野球が分からない人には意味不明な説明でしたね。
では、これにて本日のテーマ「イチローの適正打順は何番なのか」を終わりにしたいと思いますw