東北にある野球チームのことでしょうか。いえ、違います。
楽典とは、楽譜の読み書き、及びそれに付随する様々な用語や概念を解説した学問です。
よく「音楽の文法」などと言われます。これは楽典を英語で「Musical Grammar」と言うためなのですが、正確に言うとちょっと違います。
先程言ったように楽典のメインは楽譜の読み書きです。
国語で例えるなら、平仮名・カタカナ・漢字など、文字の読み書きを徹底的に学ぶのが楽典であって、文法とは違います。
文法に相当する内容も多少は含まれていますが、メインはそこではない。
読み書きならば本来はこれを一番最初に学習するべきなのでしょうが、あまり面白いものではないのでやめておいたほうがいい。
一生使わないような知識もけっこう含まれてますからね。
それよりもまずは色々な曲を弾いたり作ったりして自分の音楽レベルをある程度のところまで上げて、その後で自分の知識の確認のために読むとか、分からないことがあったときに辞書的な使い方をするとか、そっちのほうが良いと私は思います。
もし楽譜の読み方など基礎的なことが分からなくて困っているのであれば、「漫画で分かる楽譜の読み方」とか「子供の楽典」みたいな本がありますので、それを古本屋で買ったほうがいい。
いきなり本格的な楽典の本を買ったところで、余計分からなくなって自滅するだけです。
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楽音
音楽に使われる音は我々が日常生活の中で聞く音とは少し違います。車が走る音、雨や風の音、動物の鳴き声などは、一般的な音楽には使えません。
音楽で用いられる、楽器の音や歌などの音のことを「楽音」と言います。
楽音には「高さ・大きさ・音色」という3つの要素があり、高さは周波数、大きさは振幅のことです。
そして音色は楽音における「倍音の含まれ具合」によって決まります。
図で言うと、波の形そのものが音色です。
また、音楽を奏でるにあたって、各音の高さの関係を決めたルールのことを音律と言います。
純正律と平均律が有名ですが、世の中には他にも様々な音律が存在します。
詳しく知りたい方はこちら「音律」をご覧下さい。
楽譜の読み方
次に五線譜の読み方を学びましょう。
五線譜とは縦軸に音高、横軸に時間を取ったxy平面のようなものです。
難しそうに見えますが、結局は「どのタイミングでどの音を出すか」と言うことしか記されていません。
詳しくはこちら「楽譜の読み方」をご覧下さい。
また、一応補助的にこちらの知識もあったほうがいいのですが、ちょっと難しいので無理して覚える必要はありません。
拍子
定義としては強拍と弱拍によるリズム周期のことです。
簡単に言えば「ワン、ツー、スリー、フォー」というアレですね。
ほとんどの曲は「ワン、ツー、スリー、フォー」でリズムが取れますが、たまに「ワン、ツー、スリー」でリズムを取る曲もあります。
この4カウント(ないし3カウント)を1小節とし、これを一つの周期とします。
先程の譜例は4カウントで1小節ですね。
音程
音程とは音同士がどれくらい離れているかを表す数値です。
同じ音を1度とし、隣の音は2度、もう一個隣の音は3度…と表します。
「何で同じ音が0度じゃなくて1度やねん!」
はい、ごもっとも。
インドで数字のゼロが発見されたのは5世紀頃であると言われています。しかし音程の基本的な考え方は紀元前に既に出来上がってしまっていたのです。
それが修正されないまま現代までずーっと続いているということです。
とにかく、同じ音が1度!
もう諦めてくださいw 電気が本当はマイナスからプラスに流れているのと同じで、もう今更直せませんw
本当は0度から始まったほうが都合がいいんですけどね。
0度から数えると1オクターブが7度で2オクターブが14度になります。単純に2倍すればいい。しかし現在の数え方だと1オクターブが8度で2オクターブが15度になります。絶妙に覚えにくいですねw
ちなみに「重増2度」みたいな難しい音程もありますが、こんなのは一生使わないので覚える必要はありません。
詳しく知りたい方はこちら「音程」をご覧下さい。
音階
ある曲中で主に使われる音を音高順に並べたものを「音階」と言います。簡単に言えば「ドレミファソラシド」のことですね。
音階は長2度と短2度の音程を組み合わせて作成しますが、短2度をどこに入れるかによってその音階の性格が決まります。
赤線部が短2度音程です。
一般的な音楽では、上の譜例のような7音の音階(高いドはカウントしない)が使われますが、8音のものや、6音、5音以下のものも存在します。その場合、長2度以上の音程が含まれることもあります。
詳しくはこちら
少々難しいですが、こちらの知識もあったほうがいいかもしれません。
和音
2つ以上の音を同時に弾いたものを和音と言い、一般的には3つ以上のものを指します。ポピュラー音楽ではコードネーム(通称コード)という表記方法がよく使われます。
西洋音楽の和音は、単独でどうこうと言うよりは、異なる和音同士の連結が大きな意味を持ちます。
速度記号 発想記号
こちらも色々ありますが、簡単なものは実際の曲を弾いてるうちに覚えてしまいますし、例によって難しいものは覚える必要がないw 特に発想記号はそうですね。カンタービレとかそういうやつです。
このへんの記号はイタリア語です。なぜイタリア語かというと、昔はイタリアがクラシックの先進国だったからです。
日本でクラシックが発展していれば、今頃楽譜はこうなっていたはずです。
まぁこれは冗談ですが、イタリアの人は楽譜がこのように見えてるはずですよね。
フォルテとかピアノなどの記号はイタリア語で書いてくれないと逆に読みづらくなってしまいますが、発想記号に限って言えば何語だって構いません。
最近のポピュラー音楽の楽譜は英語で書かれているものもあります。もちろん日本語で書いたっていい。
演奏者に自分の意図を分かってもらうためには、母国語で書くのが一番だと私は思います。
楽式
「Aメロ→Bメロ→サビ」のような、楽曲構成の形式を「楽式」と言います。
小さなものだと二部形式や三部形式、大きなものだとソナタ形式などがあります。
詳しくはこちら「楽式」をご覧下さい。
さて、楽典について見てまいりましたが、いかがだったでしょうか。なかなか覚えるのが大変ではありますが、是非とも頑張って頂きたいと思います。
そして、東北の野球チームにも是非とも頑張って頂きたいと思います。
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