音楽理論 ざっくり解説

音楽理論をざっくり解説します。最低限のポイントだけ知りたい方へ

西洋音楽史 後編

スポンサーリンク

西洋音楽史、後編です。

前回はバロック以前の時代まで解説いたしました。今回は、古典派から現代までです。

 

古典派は、ハイドン・モーツァルト・ベートーベン達の時代です。ドイツ人なのかオーストリア人なのか神聖ローマ帝国人なのかよく分かりませんが、とにかくドイツ語を話す人達です。交響曲ソナタ形式の発展により、ドイツがクラシック先進国となりました。

また、今まで対位法で複雑な曲を書いていたのに対し、バロックの終わり頃からホモフォニーが台頭しはじめ、この古典派時代で一気に大流行します。

一気に変化した理由については、私の勉強不足のせいか納得できる説明は見たことがありません。一つ考えられるのは、聴衆の違いです。

バロック時代までは王侯貴族に養って頂いて曲を書いているようなものでしたが、古典派時代になるとコンサートの入場料や楽譜の出版料など、今とあまり変わらないスタイルが出来上がります。そうなると生活のためにはどうしても一般受けする曲を書かざるを得なくなり、それが書法の違いとして表れたのではないでしょうか。

…と言うか、そういう音楽家しか名前が残っていないのでしょう。

バッハだってメンデルスゾーンが発掘しなければ消えていたわけですから。きっと沢山の才能溢れる作曲家が忘れ去られていったのでしょう。悲しいことです。

 

とりあえず、古典派代表としてハイドンの作品を聞いてみましょう。

www.youtube.com

バロック時代と比べてだいぶポップになりましたねw

ハイドンはまだ貴族の雇われ音楽家ですが、それでもこのポップさです。

モーツァルトは言わずもがな。ベートーベンだって、若い頃はモーツァルトのようなポップな曲を書いていますよ。

ただ、富と名声を手にして一般受けする曲を書く必要がなくなったことや、難聴により引きこもりがちになったことなどから作品はどんどん難解で複雑になります。そして交響曲第5番「運命」で古典派の頂点と言える曲を書いてしまいます。古典派の範疇で言えば、これ以上の曲はない。もう終わりです。

しかしその後も創作意欲と斬新な試みは衰えることを知らず、交響曲第9番ではオーケストラと合唱を融合させて「人類愛」を歌い、最終的には当時の人々…いや、現代人にも理解できないであろう、悟りの境地とも言える難解なフーガを書き上げます。特に作品133の冒頭は一瞬12音音楽かと思うほどです。

耳が聞こえないために人と円滑なコミュニケーションがとれず、ただただ自分の内面に向き合うしかなかった。12音にまで到達するほど自分の内面に向かい続けたベートーベン。私はそこに深い孤独と悲しみを感じずにはいられません。

スポンサーリンク
 

さて、次はロマン派を見ていきましょう。

先程言ったように、古典派の範疇で言えば運命以上の曲は作れません。ではそれ以降の作曲家は何をすればいいのか。

つまりこういうことです。2013年に田中将大投手が24勝0敗で勝率10割という記録を樹立しました。勝率で言えば、もうこの記録は誰も上回ることができません。良くてタイです。ですから、それ以降の投手は新記録を作ろうと思ったら、奪三振とか防御率で勝負するしかありません。

 

歌曲のシューベルト。管弦楽のベルリオーズ。万能の天才メンデルスゾーン。ピアノのショパン、リスト。楽劇のワーグナー。ワルツのヨハン・シュトラウス2世。バレエのチャイコフスキー。あと人気のないシューマンw

皆、ベートーベンが極めていないジャンルに挑戦し、和声の拡張、自由な形式や、音楽でストーリーを表現したり、民族音楽を取り入れるなど、その分野に変革をもたらした人物です。

…と言うか、ベートーベンと同じ土俵で勝負した作曲家もいたはずですが、そういう人は例によって忘れられたのでしょう。古典派の継承者で唯一有名なのはブラームスです。

 

そしてマーラーの時代を経て、ついに近・現代音楽へと向かいます。

ドビュッシーは和音の繋がりの規則を無視し、今この瞬間の響きを重要視しました。シェーンベルクは12音技法を提唱しました。ラヴェルの作品の一部にはジャズの影響が見られます。ストラヴィンスキー「春の祭典」では、あまりの前衛さに聴衆から野次や怒号が飛び交い、怪我人がでるほどだったそうです。

面白そうなのでちょっと聞いてみましょうw

www.youtube.com

確かに分かりづらいものの、野次るほどではないと思うのですが…。

さて、新しい文化の発展と共に、作曲家達はこれ以降もどんどん新しい分野に進出します。

ガーシュインはジャズとクラシックを融合させました。ショスタコーヴィチプロコフィエフは映画音楽をいくつも書いています。さらには電子楽器を取り入れる作曲家まで現れました。

そして、忘れてはいけないのが武満徹です。武満は琵琶や尺八をオーケストラと合体させ、日本が世界に誇る作曲家となりました。

www.youtube.com

う~む、分からんwww

もはや一般の人にとって現代音楽は音楽とは呼べないものになってしまいました。

これから音楽がどんな方向に向かうのか、それは誰にも分かりません。さらに理解できない曲が生まれるかもしれない。誰かが全く新しい理論を提唱し、20世紀は音楽史上特殊な時代だったと言われるかもしれません。

 

新しい時代が来るのを楽しみに待ちましょう。