音楽理論 ざっくり解説

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転調 後編

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転調 後編です。

Googleで「転調」で検索しようとしたら「店長 うざい」と表示されました。その意見については私も賛成です。

前編では転調・借用の基本的な考え方について学びました。後編では実際の曲を聞いてみましょう。しかしその前に、前編で言い忘れてしまったことが一つありますので、先にそれを解説します。

 

ちょっと専門的な話に突っ込んでしまいますが、転調に便利な「減七の和音」という必殺技があります。

コードで言うと、dimのことですね。dimはどういう和音なのかと言うと、例えばCdimであれば、A♭7(♭9)のコードのラ♭が無くなった形です。ということは、CdimはD♭に進みたがる性質があるということですね。

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しかし、これだけではありません。これだけでは必殺技とは呼べません。

ご存知のように、dimは構成音がカブっているコードがいくつかあります。例えばCdimは、E♭dim、F#dim、Adimと構成音が同じです。ということは、CdimはA♭7(♭9)のコードのラ♭が無くなった形であると同時に、B7(♭9)のシが無くなった形でもあり、D7(♭9)のレが無くなった形でもあり、F7(♭9)のファが無くなった形でもあるのです。

 つまり、曲中にCdimをポンと入れるだけで、次はD♭にも行けるし、Eにも行けるし、Gにも行けるし、B♭にも行けるということです。

凄い! ややこしいが凄い!

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ややこしい話がだいぶ長くなってしまいました。詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。

www.mie238f.com

 

では気を取り直して、ここからは私が「やられた!」と思った転調をいくつかご紹介いたします。

まず1曲目、広瀬香美の「ロマンスの神様」

サムネイルが凄い顔ですw

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ご存知ない方も多いと思われますが、広瀬氏は音大の作曲科の出身で、元々はバリバリのクラシックを勉強されていました。私のブログなんか読むより、広瀬氏の曲を分析したほうが余程勉強になりますよw

さて、曲はA♭から始まります。…と言っても一筋縄では行かず、3小節目のシのナチュラルなど、やはりクラシックがチラリと顔を出しますね。

その後、Bメロで突然Bに転調。そのまま進むのかな~と思いきや、たった4小節でその調を捨て去り、5小節目からAに転調します。これどうやって収拾つけるのかな~と思っていると、サビで今度はF♯に転調して終わります。

もう変わりすぎて酔いそうですが、この曲が発売された当時は広瀬氏も若かったので、「私はこんな難しい曲を書いて歌えるのよ!」と言いたかったのでしょう。

…しかしバブルな歌詞ですねw

 

では2曲目、アニメ「バビル2世」の主題歌です。

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昭和アニソン界の巨塔、菊池俊輔先生の作品です。

Bメロ「怪鳥ロプロス」の部分でFmからFへと転調します。それまで暗い雰囲気だったのが、一瞬にしてメジャーに転調することで曲に広がりが出て、ロプロスが大空を飛んでいる感じが表されていますね。詞先で書いている、というのがよく分かる曲です。

ちなみにこの「マイナーからメジャーへ」というのは菊池先生お得意の手法で、他の作品でも見られますよ。

 

最後に、子供番組「いないいないばぁっ!」の2番目のオープニング「いないいないばぁっ!~音楽の国~」です。最後にすげぇの来たなw

これは残念ながらYoutubeに音源がありませんでした。ただ2003年から2007年にかけて放送されていたらしいので、若い方は知っているかもしれませんね。

この曲は歌のメロディが延々とCのペンタトニックスケールで進んでいき、しかも歌詞も番組タイトル「いないいないばぁっ!」を連呼するだけという非常に退屈…いえ、シンプルな曲なのですが、歌が始まって11小節目にいきなりEに転調するという大技を繰り出します。

そのまま曲はすぐに終わってしまうのですが、あまりに自然に変化するので、私は最初聞いたときに転調していることに気づかないほどでした。

 

さて、色々見てまいりましたが、いかがでしたでしょうか。やはり名曲には様々なテクニックが使われているものですね。

ただし、あまりに転調しすぎて「転調 うざい」と言われるような曲はやめましょうw