音楽理論 ざっくり解説

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絶対音感とは 後編

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 絶対音感 後編です。

そもそも絶対音感とは、「音を記憶している」ということです。小さい頃から楽器をやっていると、「この音はド、この音はレ」といった具合に、いつの間にか音を記憶してしまうのです。

記憶しているだけですから、自分の引き出しにない音は認識しづらい。例えばクラシックのピアニストの方ですと、ジャズの和音は聞き取りづらいとか。或いは自分がやってる楽器の音は分かるが、他の楽器の音は聞き取りづらいとか。

私はピアノ弾きなので、ピアノ以外の楽器の音はやはり分かりにくいです。

 

絶対音感とは、音を記憶しているだけ。

ということは、ある程度の初歩的な絶対音感であれば大人になってからでも習得できるということでしょう。記憶すればいいのですから。

楽器経験のない人でも、自分が好きで毎日聞いているような曲であれば伴奏なしでも正しいキーで歌い出せます。これは立派な音の記憶です。

毎日毎日ピアノでドの音を弾いて「これがドだ」と覚え込ませれば、そのうち街でクラクションが鳴った時に「あ、ドだ」と反応できるようになるでしょう。音は12個しかありませんから、それを12回繰り返すだけです。

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さて、絶対音感は「ある」「なし」で語られてしまうことが多いのですが、そういうわけではありません。白黒ではなく、グレースケールなのです。今までの説明で言うと、どの程度退化したか、どの程度音を記憶しているかでレベルが決まるわけです。

私は一応絶対音感がある、ということになっています。クラクションの音や踏切の音がドレミで聞こえる。店で流れているBGMのメロディもなんとなくドレミで認識することはできる。しかし速い曲は分からない。複雑な曲も分からない。一度聞いた曲を完全再現できるか、と言ったら全然そんなことはない。勿論簡単な曲ならコードとメロディを弾くことはできますが…。

しかし、世の中にはもっと凄い耳を持った人がゴロゴロいます。もちろん曲を完全再現できる人もいますし、音ではなくHz単位で分かる人もいます。

 

このへんも一般の方には分かりづらいようなので、簡単に説明します。

あなたは色をどう認識していますか?

毎日の生活の中で「あ、赤だ」「あ、青だ」など、瞬時に(というか無意識に)認識していますよね。絶対音感とはこういう能力だと思ってください。赤が赤として見えるように、ドはドとして聞こえるのです。

ただし、その精度は人によって様々です。美術関係やファッション関係の仕事をしている人であれば、赤の中でも「これは紅色」「これは朱色」「これはピンク」と、詳しく判別できることでしょう。絵の具があれば完全再現できるかもしれません。

しかし私はファッションなんて全く興味がないので、全部同じ赤にしか見えない。下手したらピンクも赤に見える。目が悪いから遠くの色はよく見えない。夜はもっと見えない。雨の日も見えない。そんな感じです。

 

以上、絶対音感とはこんな能力です。なんとなく分かって頂けたでしょうか。絶対音感と相対音感、どちらも一長一短です。そして普通に生活をする上では相対音感のほうが便利だ、ということは覚えておきましょう。

誰が訳したのか知りませんが、「絶対」という響きに騙されないようにしましょうw