音楽理論 ざっくり解説

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音程 後編

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音程 後編です。

前編「音程 前編」では長・短・増・減・重増・重減などの音程について学びましたが、一つ解説していなかったことがあります。

 

完全音程 

それは、1度・4度・5度・8度のときの呼び方です。

実は、これらの音程には長・短という呼び方は存在せず、「完全4度」とか「完全5度」という言い方をします。

そこから半音広くなると増・減、さらに半音広くなると重増・重減です。

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完全音程は、英語では「Perfect」と言います。完全4度だったら「Perfect fourth」です。

 

しかしなぜ長・短ではなく完全などと呼ばれるのでしょうか。実は、これは諸説あって私も納得のいく説明は見たことがありません。一応、一つ紹介します。

 

時は紀元前、古代ギリシアのピタゴラスは、ある音と、それに対して周波数が2倍の音はとても綺麗にハモることを発見しました。それは「ドとオクターブ上のド」なのですが、彼はさらに研究を進め、2:3のとき(ドとソ)と、3:4のとき(ドとファ)も協和度合いが高いことを発見しました。

よって、これら3つの音程は特別視され、「完全に協和する」といった意味合いから完全音程と呼ばれるのである。

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う~む、後半が苦しい…。

でも何となくニュアンスはお分かり頂けたでしょうか。つまり、1度・4度・5度・8度はハモリ具合が高いので特別な音程とされたということです。

しかし面白いのは、それ以外の音程は(3度でさえも)不協和音程だとされたことです。当時の人々が、現代の3度だらけの音楽を聞いたらどう思うのでしょうか。同様に、現代の我々が未来の音楽を聞いたら不協和音だらけに聞こえるのでしょうね。

 

このピタゴラスのエピソードやら何やらについて詳しく知りたい方はこちら「ピタゴラス音律」をご覧下さい。

 

複音程 

次は、1オクターブ以上の音程についてです。

前編では8度まで勉強しましたね。では9度以上の音程は存在しないのかと言われたら、勿論そんなことはありません。100度だろうが1000度だろうが存在します。

そのような1オクターブを超える隔たりの音程を「複音程」と言うのですが、直感的に分かりづらいのであまり使われることはありません。

例えば「ドとオクターブ上のソ」の音程は12度ですが、12度と言われてもあまりピンと来ません。ですので普通は「オクターブと5度」とか、或いはもう開き直って「5度」と言ってしまいます。

 

ただ、ポピュラーをやる人はコードのテンションとして9度・11度・13度が登場することがありますから、その3つは一瞬で分かるようにしておきましょう。例えばC7(13)というコードがあった場合、13度の音はオクターブ上のラの音です。

 

名前が無い音程 

では最後に、さらに広い音程について少し説明して終わりにしましょう。

前編で重増・重減の音程について勉強しました。例えば「ドとミのダブルシャープ」の音程は重増3度です。

では、それよりも広い音程はどのように呼べばいいのでしょうか。例えば「ドのフラットとミのダブルシャープ」のような場合です。

実は、このような音程の呼び方はありません。重増・重減よりも広い音程には名前がないのです。

 

そもそも、重増・重減自体が超レアキャラなので、それを超える音程など普通は存在しませんし、もし存在したとしてもわざわざ音程で言わずに、「この音とこの音が…」と言ってしまえば済む話ですから、別に名前など必要ないのかもしれません。

普通に曲を書く場合はそんな音程は現れませんが、理論的には作ることが可能なようなので、興味のある方は一度挑戦してみましょう。

 

私は全くやる気ありませんがw