というわけで、説明を聞いただけではイマイチ理解できないと思うので、実際に問題を解いてみましょう。
いきなりこのページにたどり着いてしまって「説明って何のこと?」と思った方はこちらを読んでからもう一度来てください。
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第1問
では早速問題です。次の3つの音符を短2度上に移調すると、それぞれ何の音になるでしょうか。
答えは下にあるので、分かったらスクロールしてください。
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第1問 解答
では正解発表です。答えは次のようになります。
なぜこうなるのか。ピアノの鍵盤を見ながら考えてみましょう。
短2度上とは半音上のことですね。まずドを半音上に上げるとド♯です。これは誰でも分かると思います。(この問題の場合、レ♭でも正解です)
次のミですが、半音上げるとミ♯??? う~む、まぁミ♯という解答でも間違いではないのですが、ミとファの間には黒鍵がありません。よって「ミ♯=ファ」という扱いになるので、模範解答はファです。
(同様に、もし「シを半音上げなさい」と言われたら答えはドだし、ドを半音下げなさいと言われたらシです)
最後のファですが、よく見ると調号がくっついているので、これはファ♯ですね。ということは、半音上げたらソです。
第2問
では次の問題です。
次の曲(きらきら星)を長2度上に移調しなさい。
今回も答えは下にありますので、分かったら下にスクロールしてください。
第2問 解答
はい、正解発表です。ジャーン。
…え、なぜいきなりファとドに♯がくっついたのかって?
あーそれはですね、理屈が分かればそれほど難しい話ではないのですが、まず、移調前のきらきら星が何調だったか(何の音階だったか)は分かりますか?
そう、ハ長調音階ですね。ドから始まる長音階のことです。ドは日本語で言うと「ハ」なので、ハ長調と言います。
では、この音階を長2度上に上げるとどのような音階になるでしょうか。
はい、上のような音階(ニ長調音階)になります。今度はレから始まっていますね。レは日本語で言うと「ニ」なのでニ長調です。
さて、ファとドに♯がくっつきましたね。これはなぜなのか。先程のようにピアノの鍵盤で考えてみましょう。第一問ではピアノの鍵盤一つ分上げるだけでしたが、今回は長2度なので鍵盤2つ分上げることになります。
ドレミファソラシドをそれぞれ鍵盤2つ分上げると、ドはレ。レはミになりますが、ミはファ♯になってしまいます。同様に、シはド♯になってしまいます。これが、ファとドに♯がくっつく理由です。
以上の理由から、ニ長調の曲の場合、基本的にはファとドは♯で弾くことになります。しかしファとドが曲中に登場する度にいちいち音符の隣に♯を書くのは面倒なので、冒頭(ト音記号の隣)にまとめて書いてしまってもいいことにします。こうすることによって「いちいち書かないけど、この曲はファとドを♯で弾いてね!」という指示を表すことができるのです。
…え、ニ長調のきらきら星にはドは登場しないのだから、ドには♯を付けなくてもいいだろって?
う~む、確かにそうなのですが、♯や♭の数はその曲の調を表しているという面もあるのです。つまり、冒頭に♯を2つ書くことによって「この曲はニ長調だよ!」ということを演奏者に知らせているのです。
厳密に言えば調号は義務ではなく権利なので、ドの♯は書かなくても間違いではありません。しかし♯が1個しかないと「あれ、ト長調の曲かな?」と思われてしまいます。法律違反ではないものの、マナー違反にはなってしまうので、ドにも♯をしっかり書きましょう、ということです。
ではあと1問やって終わりにしましょう。
第3問
次の曲(メリーさんの羊)を短3度上に移調しなさい。また、移調後の調は何調か。
またまた答えは下にあるので、分かったら下にスクロールしましょう。
第3問 解答
では正解発表です。
今回は短3度なので、上げるのは鍵盤3つ分です。今までと同様に、ピアノの鍵盤をイメージして一つ一つの音を3つずつ上げていきましょう。
これが模範解答です。
次に、これが何調なのか考えてみましょう。
移調前の曲はハ長調でした。それを鍵盤3つ分上げたので、音階としては次のようになります。
ミ♭から始まる長音階ですね。ということは、ミ♭は日本語の音名で言うと「変ホ」なので、正解は変ホ長調ですね。
いかがでしたか? 面倒ではありますが、慣れてしまえばそれほど難しい作業ではありませんね。
「♯が何個だと何調」のような知識を身につけたい方は、こちらも合わせてご覧ください。