音符の長さを延長する方法について勉強しましょう。
その前に、音符の長さの関係はご存知でしょうか。音符の種類は全音符・二分音符・四分音符など色々ありますが、基本的には元の音符を2分割していく形で短くなっていきます。
点の付く日はポイント1.5倍
付点には、元の音符に対して半分の長さの音符を足し合わせる効果があります。つまり、付点がつくと音符の長さが1.5倍になるのです。
付点16分音符・付点32分音符など、これ以上短い音符についても同様です。
全音符にくっついた点は二分音符の価値がありますが、八分音符にくっついた点には16分音符の価値しかありません。どの音符にくっつくかによって付点の絶対的な価値は変わってしまうので、初心者のうちは分かりにくいかもしれません。
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音符だけでなく、休符にも付点を用いることが出来ます。
複付点
付点は2個以上つけることも出来ます。これを複付点と言い、複付点がくっついた音符を複付点全音符・複付点二分音符…のように呼びます。
では長さはどうなるのかと言うと、付点が2個だから元の長さの2倍かな? と思ってしまうところですが、実はそうではなくて、元の音符に対する半分の長さの音符と、それよりさらに半分の長さの音符を足し合わせるのです。
数字で言うと1.75倍ですね。
敢えてややこしい言い方をすると、この2個目の付点は音符にくっついているのではなく、付点に対する付点だということです。
ただし、当然ながら一瞬では読みにくいため、ほとんど用いられることはありません。ちなみに私がこれを人生で最初に見たのは、ウルトラセブンの歌のイントロでした。
3個つけることも一応ルール上は可能です。
タイ
続いてはタイです。
タイとはネクタイの「タイ」で、つまり「結ぶ」という意味です。2つ(3つ以上も可)の音符を曲線で結ぶことによって、それらを一つの音符として扱います。
付点では「全音符+二分音符」「四分音符+八分音符」など、半分の長さの音符を足すことしか出来ませんでしたが、タイを使えば「全音符+16分音符」のように、自由な組み合わせで足すことが出来ます。
先程のウルトラセブンのイントロも、タイを使って書いたほうが読みやすいですね。
また、小節をまたいでの延長も出来るため、付点よりも利便性の高いツールです。
厳密に言うと、昔は付点で小節をまたぐこともあったようです。その場合、下図のように付点だけを次の小節に置きます。
昔の書き方なので、覚える必要はありません。
しかしこれと似たようなことをやってしまう人がたまにいます。次の譜例を見て下さい。
上側のような書き方は非常に譜面が読みづらい。
何が駄目なのかと言うと、強拍の部分に音符が書かれていないのでリズムが取りにくいのです。次の強拍まで音符を伸ばしたい場合は、付点ではなくタイで書くようにしましょう。
最初の音符とタイは存在するのに、後ろ側の音符が存在しない場合もあり、これは近代以降の作品に見られます。
説明しなくても何となく分かるとは思いますが、これはモワ~ンと余韻を残す感じを表しています。ドビュッシーの楽譜によく登場する書き方です。
さて、今回は音符の長さを延長する方法について学びました。特に最後に紹介したような譜面をピアノで弾くときは、ペダルの腕の見せどころですね!
…あ、腕じゃなくて脚かw