音楽理論 ざっくり解説

音楽理論をざっくり解説します。最低限のポイントだけ知りたい方へ

対位法 後編

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対位法、後編です。

前編では基本的な理論について学びました。後編では細かいテクニックや知識について学んでいきましょう。

まずは教会旋法です。教会旋法とは、中世ヨーロッパで使われていた音階のことです。簡単に言うとピアノの白鍵だけを使って作られる音階で、ドから始まる音階、レから始まる音階、ミから始まる音階…と、基本的には7つ存在します。(アレンジバージョンがあるので、正確にはもう少し多いですが)

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歴史的なことを説明すると、対位法が発展していく中で和声的な音の処理のしやすさの面から、ドから始まる長音階とラから始まる短音階が生き残り、他は淘汰されました。そのため現代の我々には、教会旋法の曲は明るいとも暗いともつかない独特な雰囲気に聞こえます。

教会旋法は、和声法的なアプローチで作ろうとするとなかなか難儀ですが、同時代の理論である対位法とは割と相性が良い。ちょっと実際の曲を聞いてみましょう。

「西洋音楽史 前編 - 音楽理論 ざっくり解説」のページでも紹介した曲ですが、デュファイの「アヴェ・マリス・ステラ」です。

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素晴らしい響きですね。キリスト教とは全く縁のない人生を送ってきた私でも、教会に行って祈りを捧げたくなってしまいます。

さて、続いて解説するのは二重対位法です。まぁ解説と言うほどのものでもないのですが、2つのパートの上下をひっくり返しても曲が成り立つように作ることを二重対位法と言います。

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作るだけならそれほど難しくありませんが、面白い曲を作るのはけっこうハイレベル。ちなみに上の譜例のようにオクターブひっくり返すだけではなく、10度とか12度ひっくり返すことも可能です。

三重以上の対位法もありますよ。例えばA,B,Cという3つの旋律が同時に奏でられているとき、それをひっくり返してBACにしたりACBにしたりCBAにしたり…。挙げ句の果てには四重対位法なんかも存在するらしいですが、私は作ったこと…いえ、作ろうと思ったことすらありませんw

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では最後に対位法の花形選手、カノンとフーガについて説明します。カノンは割と簡単ですね。最初に提示した旋律を次のパートがそのまんま繰り返すとカノンになります。

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しかしそのまま繰り返すだけではバリエーションが無くてつまらないので、これも3度とか5度とかずらして繰り返したり、或いは反行系にしたり、

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或いは「拡大・縮小」というテクニックも存在します。四分音符→二分音符のように、音価が二倍になるのが拡大。四分音符→八分音符のように、音価が半分になるのが縮小です。

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そのまんまではなく、アレンジして複雑に絡み合うようになるとフーガですね。下の譜例では画像の大きさの都合上かなり速いスパンで曲が展開していますが、実際にはもっとゆったりしていますよ。

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フーガはまず主題の提示から始まります。最初のパートでテーマを発表したら、次のパートはそのテーマを属調で演奏します(上の譜例では3・4拍目)。それが済むと、さらに次のパートが今度はまた主調でテーマを演奏します(2小節目1・2拍目)。

このように、主調テーマ→属調テーマ→主調テーマ→属調テーマ…という順番で進んでいき、一通り披露し終わったら展開部に進みます。(ただし、曲によっては提示部をもう一度、今度はアレンジバージョンで披露したり、或いは展開部に行く前に短い間奏を入れる場合もあります)

展開部は、今まで登場したテクニックを総動員して仕上げていきます。ありとあらゆる場所に主題を登場させつつ、拡大・縮小・反行系・逆行系・移調系、或いはそれらのアレンジバージョンなどを絡めていきます。特に決まった形などはないようなので、気の済むまで絡め続けましょう。気が済んだらそこで曲は終わりです。ソナタ形式ではないので再現部はありません。

フーガには細かいテクニックが沢山あり、私も全てを把握しているわけではありません。時間のある方はフーガ研究に没頭してみるのもいいかもしれません。

 

さて、対位法についてざっくり見てまいりましたがいかがでしたでしょうか。晩年のベートーベンが対位法に傾倒していたように、やはり不思議な魅力がありますね。

対位法をマスターして「ルネッサ~ンス!」な曲を書いてみましょう。