音楽理論 ざっくり解説

音楽理論をざっくり解説します。最低限のポイントだけ知りたい方へ

和声法 後編

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和声法、後編です。

前編では和声の基本的な考え方を学びました。しかし私が和声を勉強していたときにず~っと分からなかったのは、この単なる和音の繋がりをどうやって実際の作曲に活かせばいいのだろうか、ということです。

実際の曲では音が動き回ります。音の動かし方にも色々ルールがあるので、後編ではその辺りを勉強してみましょう。

 

まず、内部変換です。

簡単に言うと、同じ和音を何回鳴らしてもいいですよ。ということ。1つのパートだけ動かしてもいいし、全部動かしてもいいし。好きにやっちゃいましょう。

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基本的には、前の和音が責任者で、後の和音は残像だと思ってください。連続5度や8度の責任は、だいたい前の和音に押し付けられます。…ということは、残像を使って連続5度や8度を切り抜けようとしても無駄だということです。

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しかし、いくら前の和音が責任者だと言っても、やはり限定進行音は最後の和音が責任持って解決しないと気持ち悪い。という特殊ルールもあり、なかなか覚えるのが難儀なところです。

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次に、非和声音です。

非和声音とは、和音に含まれていない音のこと。つまりCのコードが鳴っているときにドミソ以外の音が鳴ったらそれが非和声音で、それらの音はドミソのいずれかの音が変化したものであると考えます。こちらでも少しですが解説しています。

www.mie238f.com

このルールに従うことによって、音をさらに自由に動かすことができるようになります。(作ってから気がついたのですが、経過音が2個ありますねw)

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さて、ところで上の譜例の1小節目3拍目の和音は何でしょうか? Dm(11) ? 何やらトンデモナイ和音が出来上がっています。実はこれは各パートが自由に動いた結果、偶然出来上がってしまった和音です。偶然成立したので、偶成和音と言います。

偶成和音は偶然成立してしまったものなので、コード進行の規則やら何やらは適用されません。不可抗力です。

下の譜例のそれぞれ2拍目の和音は、ご丁寧にDm/CやCdimと分析するのではなく、Cのコード上で各パートが動き回った結果、偶然成立してしまった和音であると考えます。

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最初にも言いましたが、実際の曲では非和声音や偶成和音のオンパレードですよね。だから和声ではこれを最後に勉強して、「はい、これで実戦で使えますよ」となるわけです。

さて、今までの考え方を使って例のコード進行をアレンジするとこうなります。(怪しい部分が何箇所かありますが、ご愛嬌と言うことで…)

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さっきまでと変わりすぎw

しかしやっと「曲」になりました。これですよ!私が書きたかったのはこういうものです!

和声の定番の教科書「芸大和声」では、これが3巻の最後のほうに出てきます。長い!途中で飽きるわw

険しい山道を登り続け、途中で大勢の人が脱落していき、やっと山頂までたどり着いたほんの一握りの人にだけこんな素晴らしい景色を見せてくれる。和声とは、そんなツンデレの技法なのです。

 

え? 何か対位法っぽい?

おぉ、鋭い指摘ですね。実は和声法とは、対位法を「和音の繋がり」という観点からまとめ直したものなのです。同じ山を違う角度から見ているだけですね。

なので和声法は難しくなってくると対位法っぽくなってしまいますし、対位法も声部が多くなってくると和声法っぽくなってしまうのです。

 

以上、駆け足で説明してしまいましたが如何でしたでしょうか。

音楽理論は何でもそうですが、和声は特に実際のスコアを見て勉強するのが一番です。外国語だって、ネイティブと会話するのが一番上達します。

和声を通じてモーツァルトやベートーベンのような巨匠達との会話を楽しんでください。

ベートーベンだって、意外とデレ~っとしてくれるかもしれませんよw